耳鼻科専門医の阿久津です。
冬になると、お子さんの唇がいつもカサカサで、何度もリップクリームを塗り直している…そんな光景をよく目にしませんか?「乾燥する季節だから仕方ない」と見過ごされがちな唇の荒れですが、実はこれ、将来の身体の成長や、お顔立ちの形成に関わる重大なサインかもしれません。
今回は、耳鼻科医の視点から「唇の乾燥」と「顔の育ち」の意外な関係についてお話しします。
唇が乾燥する最大の原因、それは「口呼吸」です。 本来、人間は鼻で呼吸するようにできています。しかし、口がポカンと開いた状態が続くと、唇は常に外気にさらされることになります。
特に注意が必要なのは、息を吸う時です。口から吸い込まれる空気は乾燥しているため、唇の水分をどんどん奪っていきます。通常、私たちの口の中は唾液によって保護されていますが、口呼吸をしていると「天然のリップクリーム」である唾液までもが乾いてしまい、バリア機能が失われてしまうのです。
「唇が乾くだけで顔が変わるなんて大げさな」と思われるかもしれません。しかし、成長期のお子さんにとって、口呼吸の習慣は顔の骨格や筋肉の発達に深刻な影響を及ぼします。

呼吸のために常に口が開いていると、本来あるべき位置(上あご)から「舌の位置」が下がってしまいます。舌が正しい位置にないと上あごが適切に広がらず、以下のような「アデノイド顔貌」と呼ばれる特徴的な顔立ちになる可能性があるのです。
唇のカサカサは、実は、身体からの「いつも口が開いているよ!気づいて!」という切実なサインなのです。
お子さんの健やかな顔立ちを守るためには、まず「鼻呼吸」を習慣化させることが最優先です。ご家庭でできる対策として、以下のことに取り組んでみてください。
お子さんの「顔の育ち」は、毎日の小さな習慣の積み重ねで決まります。唇の乾燥に気づいたら、ぜひ一度、呼吸の仕方をチェックしてあげてください。
Q:なぜ口呼吸だと舌の位置が下がってしまうのですか?
A:口で呼吸するためには、空気の通り道を確保する必要があります。口を閉じているときは舌が上あごにフィットしていますが、口を開けると構造上、舌が下に落ちて喉の奥を広げようとするため、低位舌(舌が低い位置にある状態)が定着してしまいます。
Q:アデノイド顔貌は、成長してからでも治りますか?
A:成長期であれば、骨が柔らかいため、鼻呼吸への改善や筋機能療法によって骨の正しい発達を促すことができます。成人後では難しいため、骨格が固まる前の幼少期のうちに対策を始めるのが理想的です。
Q:唇をなめる癖は、乾燥対策になりますか?
A:逆効果です。唇をなめると、付着した唾液が蒸発する際に唇自体の水分まで一緒に奪ってしまうため、さらに乾燥を悪化させます。
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