健康顔面教室を始めた経緯

私が「健康顔面教室」を始めたきっかけは、ある一人の患者さんとの出会いでした。
その子は5歳。
お母さんが「いびきが気になる」と受診されました。
けれど、保険診療の世界では、いびきは“病気”として扱われにくいのが現状です。
保険診療ではいびきの扱いは難しく、無呼吸がなければ治療の対象にはならない。
私は、診察をしながら、その子にあった適切な治療をしていきました。
けれど症状は変わらず、顔つきは少しずつ「アデノイド顔貌」と呼ばれる状態に近づいていったのです。
「このままでは、この子の顔の形が変わってしまうのではないか。」
私は大きな危機感を抱きました。
私は、お母さんに
「無呼吸は出てないが、いびきもかなりひどいし、一度総合病院で検査をしてもらい、必要があれば、手術という選択肢もあります。」
とお母さんにお伝えし、総合病院に紹介をしました。
総合病院に受診し、色々と検査をしましたが、
病院の医師の診断は、
「手術の必要はない」
という結果でした。
医学的には正しい判断です。(私も病院で勤務していた時には同じ判断をすると思います)
けれど、医師として、子供を持つ親として考えた時、私はどうしても納得できませんでした。
「保険診療では救えないアデノイド顔貌の子どもたちに、何かできないのか?」
その想いから、私は耳鼻咽喉科とは無関係の全国の学会に足を運び、海外の論文も読み漁りました。
時には、海外での勉強会や医師以外の身体の専門家から多くの学びを得ました。
さらに、子どもの顔の成長には「栄養」も深く関わっていると気づき、ゼロから学び直しました。
その中で、私は健康的な顔立ちとは
「前方にしっかり成長した立体的な顔立ち」
と考え、それを一番阻害している原因が口呼吸であるという結論に達しました。
立体的な顔立ちとは、ただ見た目が整っているというだけではありません。
呼吸がスムーズで、いびきや無呼吸になりにくい。
歯並びも良く、全身の発達にもつながる。
そして、立体的な顔立ちを決定づける大切な期間は顔の骨が成長する0歳から12歳頃まで。
この時期に、呼吸・食事・睡眠などの良い習慣を身につけることが、子どもの未来を変えることに気がつきました
そんな学びと実践を体系立て、私は2022年に「健康顔面外来」を立ち上げました。
※現在、「健康顔面外来」はやっていません。
いびきや口呼吸で悩む子どもたちとその家族に、
「顔の健やかな成長」を支える具体的な方法を伝える場としてスタートしました。
現在は、
短い時間の中で診療室では伝えきれないことが多くあること、
症状はなくても顔の成長で悩んでいるパパママが多くいることを知り、
「健康顔面教室」として、
誰でも参加できる形式としてスタートしました。

呼吸には2種類あります
呼吸には、鼻から空気を取り入れる「鼻呼吸」と、口から息を吸い込む「口呼吸」の2種類があります。
- 鼻呼吸はいわゆる「空気清浄機」のフィルター的な役割があり身体に取込む空気に異物が入るのを防ぎます。
- 口呼吸はフィルターがない状態であり、外気が直接ノドにあたり通り抜けていくためウイルスやハウスダストなどの菌をそのまま取入れることで口腔内の乾燥を招きやすく、唾液分泌の働きが弱くなることで細菌の繁殖や免疫に対する抵抗力が弱まることで病気の原因、また脳の発達にまで影響が出てくることがわかっています。
ここでは、鼻呼吸の重要性と口呼吸になってしまう原因を解説し、口呼吸による歯や健康への影響について詳しく紹介します。
口呼吸をすることで起こるリスク
口が閉じられない状態は口腔筋機能障害といい、口周りの筋肉が正しく機能されていない症状の1つ。顔にはそれぞれのパーツを動かす為の筋肉がたくさん交わり合い存在しています。口を閉じる為のいくつかの筋肉が使われずに衰えていくことで、審美的(見た目)、健康(呼吸、睡眠、食)、学習能力(集中力の低下、落ち着きがない)、歯のトラブル(虫歯、歯周病、口臭、不正咬合)など将来的に多くの弊害が出てくるとわかっています。
なぜ口呼吸をしてしまうのか?
鼻づまりや鼻炎等があった方が口呼吸となるのはやむを得ないのですが、
口呼吸の約6割は【習慣性口呼吸】だと言われています。
この習慣性口呼吸の原因が【悪い姿勢】です。
悪い姿勢=猫背は肩こりや頭痛の原因になるだけでなく、
口呼吸の原因にもなり、そこから歯並びにも影響を及ぼすことが報告されています。
立ったとき、座ったときに足の裏は地面に並行にくっついていますか?
姿勢を支えるのは足の裏です。
ここに力がうまく伝わらなければ、歩くときも、座っている時も姿勢を維持することが出来ません。
子どもが落ち着きがなかったり、歩いていても直ぐに疲れてしまったり、
転ぶ事が多いと感じるようなら姿勢・鼻呼吸・歩き方等を気にしてください。
姿勢が正しくない→頭位の後傾→口が開いてしまう→口で呼吸→舌が下がる→上顎が狭くなる→歯並びが悪くなる。
この形式が今の現代人、そして子ども達にも大きく当てはまっているのが現代の特徴です。
アデノイド肥大

アデノイドとはノドの奥にあるリンパ組織です。
小さな子どもがアデノイド肥大を起こすことは珍しいことではありません。
ですが、気道が狭くなり鼻での呼吸がしづらくなる結果、口呼吸をしてしまう傾向にあります。
口呼吸をすることによってさまざまな細菌やウイルスを体内に取入れてしまうと同時にアデノイドがさらに肥大することで口が常に開いた状態となってしまいます。いわゆる「お口ポカン」状態です。
アデノイド顔貌

口元が前に出ているのが特徴的です。具体的には顎が小さく歯並びや噛み合わせが悪い等挙げられます。原因は主に口呼吸といわれておりアデノイドの肥大化や鼻に問題があり鼻づまりなど、幼少期から口呼吸を続けているとアデノイド顔貌になりやすいです。
赤ちゃんの頃からの習慣が大切
こちらの写真は、以前にクリニックに通っている患者さんに向けて行った勉強会になります。
赤ちゃんの場合は、授乳の指導もあるため、女性看護師が担当し、
健康的な顔立ちになるための専門的な知識と温かい心でお子様一人ひとりに寄り添った指導を行います。
- 鼻呼吸の獲得方法
- 口呼吸の予防
- 哺乳瓶の選び方
- 抱っこ紐の選び方
- 正しい授乳時の姿勢 など



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代表挨拶

赤ちゃんから大人まで健康をサポート!『ABT 西馬込本校』
こんにちは。健康支援施設ABTの阿久津です。
西馬込あくつ耳鼻咽喉科、馬込駅前あくつ小児科耳鼻咽喉科はこれまで、耳鼻科・小児科クリニックとして地域医療に貢献してまいりました。多くの患者様と向き合う中で、単に症状を抑えるだけでなく、より根本的な体質改善を目指すことの必要性を強く感じるようになりました。そして、地域住民の皆様の健康を幅広く支えたいという想いから、ABTを開設するに至りました。
私が長年地域医療に携わる中で強く感じてきたのは、「薬に頼らない健康な身体づくり」の重要性です。特にアレルギーや慢性疾患を抱えるお子様の増加に伴い、赤ちゃんの時期から身体づくりに取り組むことこそが、将来的な健康寿命を伸ばすうえで大切だと痛感しています。従来の対症療法ではなく、根本的な体質改善に取り組むための施設が必要だと考えたのです。
ABTを立ち上げるにあたり、これまでのクリニックの理念とABTの理念を改めて見つめ直しました。クリニックの理念は、地域住民の方々の健康をトータルにサポートし、家族みんなが安心して暮らせる環境を作ること。一方、ABTの理念も、赤ちゃんから大人までを対象とした総合的な健康支援を通じて、日々をイキイキと過ごせる心身づくりをサポートすることです。両者には共通して「地域に寄り添い、患者様や利用者様が自分らしく生き生きと暮らせるようサポートする」という想いがあり、高い親和性を持っています。
「真の健康とは何か?」
これは、ただ長生きすることだけを意味しません。健康寿命を延ばし、毎日を充実して過ごすことこそが大切だと考えています。子育て世代の方々は、自身の健康だけでなく、お子様の健康や家族全体の健康管理にも気を配らなければなりません。そんな方々が心身ともに健康でいられるよう、ABTでは運動や体質改善プログラムなどを通して、育児を楽しみながら輝ける環境づくりをサポートしていきたいと考えています。
慢性的な痛みや不調を抱えている方、健康に不安がある方、あるいはお子様の健康を守りたいと願う親御様――そんな皆様にとって、ABTが「地域の健康拠点」となれるよう、トレーニングマシンやヨガ、健康顔面教室など多彩なサービスを取りそろえています。赤ちゃんから大人まで幅広くご利用いただけますので、どうぞお気軽にご相談ください。
これからも地域の皆様のニーズに応えながら、真の健康づくりに貢献してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。