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2025.03.15

春の訪れを告げる食材 菜の花

春の訪れを感じさせる食材のひとつに菜の花があります。鮮やかな黄色い花を咲かせる菜の花は、日本では古くから食用として親しまれています。

ほろ苦さが特徴で、おひたしや和え物、炒め物などの料理に活用できます。

菜の花の栄養と健康効果

菜の花は、栄養価が非常に高く、特にβ-カロテン、ビタミンC、葉酸、カルシウムなどを多く含んでいます。

① β-カロテン(ビタミンA)

菜の花にはβ-カロテンが豊富に含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、以下のような効果を発揮します。

• 免疫力の向上:風邪や感染症の予防に役立つ

• 皮膚や粘膜の健康維持:肌の潤いを保ち、乾燥や肌荒れを防ぐ

• 抗酸化作用:体内の酸化を防ぎ、老化や生活習慣病のリスクを軽減する

β-カロテンは油と一緒に摂ると吸収率が上がるため、炒め物やごま和えなどにすると効率よく栄養を摂取できます。

② ビタミンC

菜の花はビタミンCも豊富に含んでおり、以下のような効果があります。

• 免疫力の向上:風邪などの予防

• 美肌効果:コラーゲンの生成を助け、肌のハリや弾力を保つ

• ストレス軽減:抗ストレスホルモンの生成を助け、疲労回復をサポート

ビタミンCは水に溶けやすいので、茹ですぎないように注意が必要です。さっと茹でるか、蒸して調理すると栄養を逃がしにくくなります。

③ 葉酸

葉酸は、血液を作るのを助けるビタミンで、特に妊娠中の女性にとって重要な栄養素です。菜の花には葉酸が多く含まれており、次のような効果があります。

• 赤血球の生成を助ける:貧血予防に効果的

• 胎児の発育をサポート:妊娠初期に特に必要な栄養素

• 動脈硬化予防:ホモシステインという物質を抑えることで、血管の健康を守る

④ カルシウム

カルシウムは骨や歯の健康を維持するために必要な栄養素です。特に成長期の子どもや、骨粗しょう症を予防したい中高年の方にとって重要です。

• 骨を丈夫にする:骨密度を維持し、骨折予防に役立つ

• 筋肉の収縮を助ける:運動時のパフォーマンス向上にも貢献

• 神経の安定:精神的な安定にも関わる

カルシウムの吸収率を上げるためには、ビタミンDを含む食品(魚やきのこ類)と一緒に摂ると効果的です。

菜の花の旬と選び方

菜の花の旬はいつ?

菜の花の旬は2月~4月頃で、特に3月が最も美味しい時期とされています。旬の時期にはより甘みや香りが強くなります。

美味しい菜の花の選び方

1. 鮮やかな緑色をしているもの(黄色く変色しているものは避ける)

2. つぼみが締まっているもの(花が咲き始めると苦味が強くなる)

3. 茎が細めでみずみずしいもの(太い茎は筋っぽくなりやすい)

3. 菜の花の豆知識

① 菜の花の苦味の正体は?

菜の花特有のほろ苦さは、「イソチオシアネート」という成分によるものです。この成分には抗菌作用やデトックス効果があり、体にとって嬉しい働きをしてくれます。

② 菜の花はアブラナ科の植物

菜の花はキャベツやブロッコリー、大根と同じアブラナ科の仲間。実は、これらの野菜と似た栄養素を持っており、特に抗酸化作用が高いのが特徴です。

③ 菜の花は昔から食べられていた?

日本では平安時代から食用として栽培されていた記録があり、江戸時代には庶民の食卓にも登場するようになりました。また、菜種油をとるためにも栽培され、江戸の町を照らす灯りとしても使われていたそうです。

④ 菜の花の保存方法

菜の花は傷みやすいので、なるべく早く食べるのが理想ですが、保存する場合は湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包み、冷蔵庫の野菜室に入れておくと2~3日持ちます。

菜の花おすすめレシピ

菜の花サラダ

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材料(2人分)

菜の花60グラム

きゅうり1/2本

ツナ缶1/2缶

コーン大さじ2

調味料

米油小さじ1

しょうゆ小さじ1

酢小さじ1/2

砂糖小さじ1/2

ごま小さじ1

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作り方

1、きゅうりを薄切りにして、ひとつまみの塩(分量外0.5グラム程度)をふり、5ふんほどおいた後水気を絞っておく。

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2、菜の花は茎と葉に分け、茎の部分は電子レンジ600W1分20秒、葉の部分は600W30秒加熱する。冷まして水気を絞る。

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3、1、2、ツナ、コーンを調味料で和える。

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大塚先生より 一言

ちょっと苦味がありますが、クセになる美味しさです。保育園の給食でも出したところ苦手な園児も多かったのですが、数人だけですが何度も「おかわり」と言って、たくさん食べていました。

好きなお子さんもいらっしゃるかもしれませんね。

菜の花は春の訪れを感じさせる栄養満点の食材です。免疫力アップ、美肌、貧血予防、デトックスなど、健康に嬉しい効果がたくさんあります。旬の時期にぜひ取り入れて、春の味覚を楽しんでくださいね。

記事執筆者

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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