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2025.08.19

ローズマリー×トマト

ローズマリー(Rosemary、学名 Salvia rosmarinus)は、地中海沿岸原産の常緑低木で、ハーブの中でも特に香りが強く、松のような清涼感と少し樹脂っぽい香りを持ちます。

名前はラテン語の「ros(露)」と「marinus(海)」が由来で、「海のしずく」という意味。地中海の海辺で朝露をまとって育つ姿から名付けられました。

 旬と栽培

ローズマリーは常緑植物なので一年中収穫できますが、香りや成分が最も濃くなるのは5月〜6月の開花前です。

しかし、日本では温暖な地域であれば真冬以外は元気に育ち、8〜10月も香り豊かです。

よく近所などを散歩などしているとご自宅のお庭に植えてあるのを見かけます。簡単に育ち、虫がつきにくいのも特徴です。葉を少し摘んでも株が弱りにくいので育てやすいです。

 栄養価と健康効果

ローズマリーは、料理で使う量はごく少量ですが、その中に多くの有効成分が含まれています。

・ロスマリン酸
強い抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去。アンチエイジングや生活習慣病予防に期待されます。
・カルノシン酸
脳の神経細胞を守る働きが報告され、記憶力サポートや集中力アップに関与すると言われます。
・ビタミンA(βカロテン)
皮膚や粘膜の健康を守る。免疫力維持に効果的。
・ビタミンC
抗酸化とコラーゲン生成を助け、美肌や風邪予防に役立ちます。
・精油成分(シネオール、カンファー)
血行促進、リフレッシュ効果、消化促進作用があります。

主な効果まとめ

抗酸化作用 → 老化防止・美肌
記憶力や集中力のサポート(アロマ利用も含む)
血行促進 → 冷えや肩こりの改善
消化促進 → 食欲不振の改善

 歴史と文化

ローズマリーは古代ギリシャ・ローマ時代から「記憶のハーブ」として知られていました。

学生が試験前にローズマリーの冠をかぶったという記録もあります。

中世ヨーロッパでは、魔除けや病気予防として家の入り口や結婚式で使われ、花言葉も「記憶」「変わらぬ愛」。

16世紀には消毒効果が注目され、ペスト流行時にはローズマリーを煮出した水で手や部屋を清めていたそうです。

 豆知識

アロマでも人気
精油を使った芳香浴は、気分をシャキッとさせたい朝や仕事中におすすめです。
肉料理との相性抜群!
抗菌作用と香りの強さで、ラムやチキン、ポークなど臭みのある肉にぴったりです。
冷凍保存も可能
収穫したローズマリーをそのまま冷凍袋に入れて冷凍すれば、半年ほど香りが保てます。

ローズマリーは香りが強いため、初めて使う場合は加熱して少量からをオススメします。

妊娠中、授乳中、幼児、高血圧の方は使用に注意してください。

トマトとローズマリーの 栄養面での相乗効果

・抗酸化作用の強化
トマトのリコピン(脂溶性の強力な抗酸化成分)
ローズマリーのロスマリン酸やカルノシン酸(抗酸化+抗炎症)
→ 両方を一緒に摂ることで、紫外線やストレスによる細胞の酸化ダメージをより強く防げる可能性があります。


・吸収率アップ
ローズマリーをオリーブオイルと一緒に使うと、トマトのリコピン吸収率が数倍にUP。
ローズマリー自体も油と相性がよく、香りや成分が料理全体に広がります。


・消化サポート
ローズマリーの精油成分が胃腸の働きを促進。
トマトの酸味と組み合わせることで、食欲がない時でも食べやすくなります。

・風味面での相乗効果
トマトの甘酸っぱさに、ローズマリーの松のような清涼感が加わり、味が引き締まります。
特に加熱したときに香りが柔らかくなり、トマトの旨味と一体化しやすい。
イタリア料理では「トマト+ローズマリー+オリーブオイル」は定番の黄金トリオ!

まだまだ暑いですね。

暑い時期でも簡単に作れる電子レンジを使ったレシピの紹介です。

~ローズマリーレシピ~ カチャトーラ風

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材料(2人分)

鶏もも肉1枚(300グラム)

米粉(小麦粉)大さじ1程度

ニンニク1片

玉ねぎ1/2個

キャベツ1/8個(120グラム)

トマト1個

マッシュルーム50グラム

塩 全体量の0.6%(全体量が1050グラムだったので塩を6.3グラム入れました)

ローズマリー1本

*お好みでパセリ

1050グラム6.3

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作り方

1、ニンニクはみじん切り、玉ねぎは薄切り、キャベツ、トマトはざく切り、マッシュルームは半分に切る。

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2、鶏もも肉は一口大(30〜40グラム程度)に切り米粉をまぶす。

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3、耐熱容器に1を入れ、2とローズマリーを上にのせる。ふんわりとラップをして電子レンジ600W10分加熱し、よく混ぜる。

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大塚先生より一言

ローズマリーは、香り・抗酸化作用・消化促進・集中力アップといった多彩な効果を持つ万能ハーブです。

一年中手に入りますが、香りが一番濃いのは初夏です。

歴史的にも「記憶」「健康」「魔除け」など象徴的な役割を担い、今でも料理・アロマ・園芸と幅広く愛されています。

少量でも料理の印象を大きく変える力があるので、旬の野菜や肉料理に取り入れてみると、ぐっと華やかになります。

今回、ご紹介しているレシピ「カチャトーラ」とはイタリアの伝統料理で肉や魚を野菜・ハーブと一緒に煮込む料理のことです。

調味料は全体量の0.6%の塩だけで作れます。

ラップをとった瞬間にフワッと清涼感のある香りを感じることができるのも嬉しいです。

良かったら作ってみてください!

記事執筆者

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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