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2025.10.28

梅干しの栄養効果|1日1粒で健康になる簡単時短レシピ

1. はじめに

梅干しは、昔から「健康を守る食べ物」として日本の食生活に根付いてきました。最近の研究では、梅干しに含まれる成分が体を酸化ストレスから守り、生活習慣病の予防につながることが明らかになっています。今回は、梅干しの「抗酸化作用」と「血圧上昇抑制効果」について解説します。

2. 抗酸化作用とは?

私たちの体は、呼吸や代謝の過程で「活性酸素」と呼ばれる物質を生み出しています。活性酸素は体に侵入した細菌やウイルスを攻撃する働きを持ちますが、過剰に増えると細胞や血管を傷つけ、老化や動脈硬化、がんなど生活習慣病の原因になります。

この活性酸素の害を抑える働きを「抗酸化作用」といいます。梅干しには、抗酸化物質がいくつも含まれています。

(1)梅リグナン

梅特有のポリフェノール成分「梅リグナン」は、強い抗酸化作用を持ち、活性酸素の働きを抑えることが知られています。これにより、細胞の老化を防ぎ、動脈硬化の予防につながります。

(2)ビタミンEやその他の成分

梅干しにはビタミンEは多く含まれていませんが、梅リグナンや有機酸の働きにより抗酸化力が高まります。また、梅に含まれる少量のカロテノイドやフラボノイドも抗酸化に貢献しています。

(3)抗酸化作用の効果

老化の進行を緩やかにする
動脈硬化の予防
疲労回復の補助
免疫力の維持

毎日の生活に梅干しを少量取り入れることで、体を酸化ストレスから守るサポートが期待できます。

3. 血圧上昇抑制について

「梅干しは塩分が多いので血圧に悪いのでは?」と心配される方も多いでしょう。確かに梅干しは塩分を含みますが、それ以外の成分が血圧の上昇を抑える働きをすることがわかっています。

(1)アンジオテンシン変換酵素(ACE)の抑制

血圧が高くなる大きな要因のひとつに「ACE(アンジオテンシン変換酵素)」があります。ACEは体内で血管を収縮させる物質(アンジオテンシンⅡ)をつくり出しますが、梅干しに含まれるペプチドや有機酸は、この酵素の働きを抑える効果があるとされています。結果として、血管が過度に収縮するのを防ぎ、血圧の上昇を緩やかにすることができます。

(2)血管を守る抗酸化作用

前述した梅リグナンの抗酸化作用は、血管の内皮細胞を活性酸素から守る働きがあります。血管が傷つくと動脈硬化や高血圧につながるため、梅干しを取り入れることは血管の健康維持にもつながります。

(3)実験データ

動物実験や一部のヒト試験では、梅干しや梅エキスを摂取することで血圧の上昇が抑えられることが報告されています。今後さらに研究が進めば、高血圧予防食品としての梅干しの位置づけがより強まるでしょう。

4. 日常生活での取り入れ方

血圧が気になる方は、以下のような工夫がおすすめです。

1日1粒を目安に:塩分を摂りすぎないように注意しながら、少量を毎日続けることが大切です。
減塩タイプを選ぶ:市販の梅干しには減塩商品も多くあります。血圧管理中の方には減塩梅干しがおすすめです。
料理に活用:梅肉をドレッシングや和え物に使えば、塩を控えながら風味を楽しめます。梅干しの酸味で減塩がしやすくなる点もメリットです。
温かい飲み物と一緒に:梅湯や梅昆布茶にすれば、体を温めつつ血管の健康をサポートできます。

5. 注意点

塩分を制限されている患者さんは、主治医や栄養士の指導に従って摂取してください。
甘味のついた梅干しは糖分が多い場合があるため、糖尿病や血糖管理中の方は注意が必要です。
梅干しは「薬」ではありませんので、食べればすぐに血圧が下がるわけではありません。日々の生活習慣の中で少しずつ取り入れることが大切です。

6. まとめ

梅干しには、梅リグナンなどの抗酸化成分が含まれ、体を酸化ストレスから守り、老化や生活習慣病の予防に役立つことが分かっています。また、ACEの働きを抑えるなど血圧上昇を防ぐ仕組みも報告されています。

塩分に注意しながら、1日1粒を目安に生活に取り入れることで、血管を守り、健やかな毎日をサポートしてくれるでしょう。昔から日本人に親しまれてきた梅干しは、現代でもなお「食べる薬箱」といえる存在なのです。

~梅干しレシピ~ 
包丁要らずワンカップスープお湯を注いで簡単に健康習慣!

材料(1人分)

豆腐100グラム

乾燥わかめ2グラム

梅干し1粒

切り干し大根5グラム

いりごま小さじ1/2

ごま油小さじ1/2

鶏がらスープの素小さじ1

お湯180 CC

作り方

1、材料を全てお椀に入れる。

2、熱湯を注ぐ。

大塚先生より一言

今回は朝ごはんに簡単にできるスープのご紹介です。豆腐も切らずに食べながら梅干しと一緒に崩していただくと美味しく召し上がれます。

もちろん豆腐は1センチ位に切ってカップに入れていただいても大丈夫です。

最後にごま油を垂らすとごまの香りが程よくします。

冷蔵庫から出した豆腐は冷たいので熱めのお湯を注いでください。

手軽にでき、消化がよくて胃にやさしく体を温めて代謝アップ でき腸も元気になります。
おにぎりやごはんとも相性抜群なので、ランチスープなどにも良かったら作ってみてください。

記事執筆者

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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