ミネラルから探す

鉄は、体内で繰り返し利用されるリサイクル栄養素です。常に呼吸力が低いため、欠乏しやすいので、気づいていないところで鉄不足になっている可能性があります。女性や妊娠・授乳中の方だけでなく発育期の子供やコーヒー・緑茶・紅茶をよく飲む方も欠乏しやすいので積極的な摂取が必要になります。



鉄は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となるミネラルで、体内で繰り返し利用されるリサイクル栄養素です。1日の所要量はごくわずかでいいのですが、非常に呼吸力が低いため、欠乏しやすいのが特徴です。鉄欠乏症は栄養が取れていない国に限らず、世界的にもっともよく見られる栄養問題のひとつです。貧血の時に「鉄が不足しているな」と思うことがよくありますが、実は貧血以外にも多くの症状があると言われます。貧血でなくとも、気づいていないところで鉄不足になっている可能性があります。

もしかして鉄不足?


あなたは鉄不足になっていませんか?下記項目の中で当てはまるものがあったら注意しましょう。
□立ちくらみ、めまい、耳鳴りがする
□むくみがある
□疲れやすい
□しっしんができやすい
□顔色が悪い
□肩こり、腰痛、背部痛
□風邪にかかりやすい
□便秘や下痢をしやすい
□歯茎の出血、体にアザがよくできる
□吐き気がする
□頭痛、頭重になりやすい
□胸が痛む
□注意力の低下、イライラしやすい
□体を動かすと動悸や息切れがする
□のどの不快感
□まぶたのうらが白い
□洗髪時、髪の毛が抜けやすい
□皮膚が青白く、または黄色っぽくなる
□寝起きが悪い
□くしゃみ、鼻水、鼻づまり
□食欲不振
□口角、口唇炎、舌のしびれと赤み
□神経過敏

鉄って?


鉄は、体内には3~4gの鉄が存在し、このうちの70~75%は機能鉄と呼ばれています。赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分となっており、体内に取り込まれた酸素を全身に運ぶ大切な働きがあります。残りの25~30%は貯蔵鉄として肝臓、脾臓、骨髄などに蓄えられ機能鉄が不足した際に使われます。

■鉄とヘモグロビン
ヘモグロビンはグロビンというタンパク質と鉄が結合した物で、主に酸素を運搬する役割を担っています。呼吸によって体内に吸い込んだ酸素は肺でヘモグロビンと結びつき、心臓から動脈を経て体の各組織へ運ばれています。そしてヘモグロビンは代謝で生じた老廃物である二酸化炭素を各組織から取り込み、肺まで運んできれいにしています。

鉄の種類


鉄分には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄の吸収率が10~30%であるのに対し、非ヘム鉄の吸収率は5%ほどで、吸収されにくいという特徴があります。またヘム鉄は一緒に摂った食品によって吸収が妨げられることは少ないですが、非ヘム鉄は吸収を阻害する要素により吸収率が低下します。非ヘム鉄の吸収率を高めるためには、ヘム鉄・たんぱく質・ビタミンCなどと組み合わせて摂ると効果的です。

《ヘム鉄》
・肉や魚に含まれる
・吸収率が高い(10〜20%)

《非ヘム鉄》
・野菜や穀類に含まれる(ひじきやほうれん草、プルーン)
・吸収率が低い(2~5%)

貧血対策にはヘム鉄を含む食品を食べましょう。食べ物の中には鉄の吸収を助けるものもあれば、妨げるものもあります。鉄不足の症状が出ている方は注意して摂取しましょう。鉄が吸収されるのは小腸です。ヘム鉄はもともとタンパク質にくるまれて吸収されやすい形になっているので、比較的すんなりと吸収されます。一方、非ヘム鉄の吸収率は非常に低く、吸収されるときに活性酸素を出して粘膜を攻撃してしまいます。また、一緒に食べたものに簡単に影響されてしまいます。

《鉄の吸収を助ける
・CPP
・ビタミンC
・たんぱく質
※CPP(カゼインホスホペプチド):カルシウムの吸収をサポートする作用があり、骨作りを活性化する成分

《鉄の吸収を妨げる
・タンニン(コーヒー、紅茶、緑茶等)
・フィチン酸(穀物の外皮、玄米等)
・食物繊維(おから、大豆、穀物の外皮、海藻類)
・りん三円(加工食品)


※引用:一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所

鉄不足するとどんな症状が起こるの?


冒頭にもあげましたが、下記のような症状も鉄不足とされます

□貧血
□動悸
□倦怠感・疲労感
□冷え性
□筋力の低下
□髪や爪の異常
□氷を好んで食べる
□抑うつ感

鉄不足になりやすい人は?


鉄分を取っていていても、下記に当てはまる方はより多くの鉄が必要となります。そのため、特に不足しないように注意が必要です。

□妊婦・授乳期の方
□子宮筋腫・月経過多の女性
□発育期の子供
□貧血気味の方
□コーヒー・緑茶・紅茶をよく飲む方
□偏った食生活をしている方(ダイエットなど)

鉄は、血液中だけではなく肝臓や脾臓にも貯蔵されています。各組織で鉄が不足すると、まず肝臓や脾臓に貯蔵されている鉄が消費されてしまいます。それでも足りない場合は血液中の鉄が消費されていきます。そのため、鉄の摂取量が少なくても貯蔵分があるうちはすぐに鉄不足の症状が出るわけではありません。鉄を摂取していると思っていても鉄不足は気づかぬうちに少しずつ進行していきます。

また、生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんから十分な量の鉄をもらって生まれてきます。しかし、その後の急速な成長に伴って出生6ヶ月〜24ヶ月の間にお母さんからもらった鉄は尽きてしまいます。赤ちゃんをどんどん大きくなり続けるためにも、しっかりヘム鉄を補充しましょう。未熟な状態で早く生まれてきてしまった赤ちゃんにはまだ体内に十分な鉄がないため、未熟児用のミルクには鉄が加えられるのはそういった理由があるからです。

1日に必要な摂取量はどのくらいなの?


鉄は、1日に約1mg消費しますが、食事でとった鉄の総量の約8%しか吸収されないので、男性は消費量の10倍、女性は12倍は摂取する必要があると言われています。

不足すると、赤血球をつくる材料がないため、鉄欠乏性の貧血になる恐れがあります。貧血になると血液は酸素を十分に運べないので体が酸素不足になり、頭痛がしたり、すぐ疲れたりといった症状がでます。女性の方によくある症状ですよね。また、心臓はこれを補ってフル回転するので、動機・息切れをしやすくなります。女性に鉄不足が多い理由としては、月経による出血や妊娠・出産によって鉄が失われてしまうからです。男性よりたくさん摂取するようにしましょう。最近は、成人女性の5人に1人が鉄欠乏性貧血であるといわれ、また中学・高校の女子生徒の貧血有病率が増加しています。ダイエットをしている方なども食生活を見直すと同時に必要な鉄をきちんと摂取することが重要です。

鉄のとり過ぎは通常の食生活ではほとんどありませんが、鉄剤やサプリメントなどから誤って大量摂取した場合は鉄沈着症などの過剰症がみられます。食事とのバランスを考えて摂取量などには十分に注意して適切なご利用をこころがけてください。

下記は厚生労働省が日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書を基に、ポイントをスライドにまとめた一部です。厚生労働省の推奨量は、必要最低量であり、普段からこの量を摂取できていれば問題がないわけではありません。


※引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

鉄を多く含む食材


鉄の多い食品といえばレバーを思い浮かべることが多いようですが、そのほかにも魚、貝、大豆、緑黄色野菜、海藻など、鉄を豊富に含む食品はたくさんあります。



《ヘム鉄》吸収率:15~25%
・牛・豚・鶏などの肉類
・肝臓(レバー)
・魚類(いわし、かつお、わかさぎ、はも等)
・貝類(アサリ、はまぐり等)

《非ヘム鉄》吸収率:5%
・鶏卵
・豆類(大豆、あずき、うずら卵、エンドウ等)
・緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜、春菊等)
・海藻類(わかめ、のり、ひじき、もずく等)

国民健康・栄養調査結果によると、私たちの口に入る鉄はヘム鉄よりも、非ヘム鉄の方が多いようです。しかし、ヘム鉄の方が非ヘム鉄よりはるかに吸収がよいという点でヘム鉄を摂取することがおすすめです。もし食事からの摂取が難しい場合ではサプリメントを利用するという手段もあります。

非ヘム鉄を摂取する場合は、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒にとると、その吸収効率をアップできることが知られています。つまり、鉄を含む野菜・海藻・大豆には、果物・肉・魚を組み合せるとよいということです。鉄に関しても他の栄養素と同様1つの食品に偏らず、日々の食生活の中でいろいろな食品から鉄を十分にとるようこころがけるようにしましょう。

まとめ


疲労回復のためには、鉄分の多い食品だけを意識してとるのではなく、さまざまな食品を組み合わせて食べることが大切です。特に、植物性食品に含まれる非ヘム鉄は吸収率が低いため、タンパク質やビタミンCと組み合わせて効率よくとれるように工夫しましょう。

女性は初潮を迎えてから、尿や汗、便から出てしまう鉄に加え、月経によりさらに多くの鉄が失われることになります。無理なダイエットをしたりスポーツなどでたくさんの汗をかいたりすると、鉄の供給が間に合わなくなり、貧血になるおそれが高まってしまいます。女性は積極的にヘム鉄を摂りましょう。

主食・主菜・副菜のそろった食事を軸に、栄養価の高い旬の食材を積極的に取り入れ、おいしく楽しく、疲れにくい体を作りましょう。

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