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インフルエンザ

インフルエンザ

「インフルエンザ」とは、ウイルス性感染症の代表格です。
日本では12月から翌3月に流行ピークを迎え、毎年1,000万人以上の人が感染しています。インフルエンザウイルスを含んだ咳やくしゃみを吸うことによる“飛沫感染”でうつり、1~3日程度の潜伏期間の後、急に38℃以上の高熱、頭痛、筋肉や関節の痛み、全身の倦怠感が現れ、咳や鼻水などの症状が1週間程度続きます。
小さいお子さんや高齢者、呼吸器系に持病がある方は、まれに急性脳症や肺炎など重症化して、最悪死に至ることもあります。

治療に使われる抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるための薬なので、原則発症後48時間以内の服用が必要です。

急なインフルエンザ症状の方はもちろん、身近にインフルエンザ感染の方がいらっしゃる場合は軽症でもインフルエンザを疑って、速やかに当院までご受診下さい。

日本では、年間1万人の方がインフルエンザが原因で亡くなっているという報告があります。当院でもインフルエンザの予防接種を行っていますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。

インフルエンザ予防接種についてはこちら


インフルエンザの症状について


実はインフルエンザには、A型・B型・C型と3種類あります。

インフルエンザA型


典型的な“インフルエンザ”として感染力が強く、咳・鼻水などの症状よりも関節痛など全身症状が先に強く出る特徴があり、毎年12月頃より流行が始まります。

インフルエンザB型


A型の流行が落ち着いた翌1月~3月頃から流行し始め、熱がダラダラ続き、下痢や腹痛など胃腸症状を訴える人が比較的多く、完治に時間がかかる印象があります。

インフルエンザC型(通年性インフルエンザ)


A型・B型よりも感染力が弱く、多くの人が幼少期に感染していますが、鼻水・咳・喉の痛み・微熱など風邪症状に似ているので、C型感染に気がつかないことがほとんどです。
ただし、2歳未満の小さなお子さんが感染すると、まれに重症化する恐れがあります。

インフルエンザの流行時期と感染経路


インフルエンザの流行は、毎年秋頃から始まり、12月から翌3月に感染のピークを迎え、また少しずつ減っていくという山型のサイクルを繰り返しています。

感染経路は、インフルエンザウイルスを含んだ咳やくしゃみを吸うことによる“飛沫(ひまつ)感染”です。

インフルエンザ検査について



①問診・視診


熱などの自覚症状や発症時期などを伺い、鼻やのどの状態を確認して、インフルエンザ検査が必要かどうか判断します。
※診察の結果、インフルエンザの可能性が低く、別の疾患や感染症の可能性が高い場合には、別の検査をご提案する場合もあります。

②迅速抗原検査


迅速抗原検査は保険適用で受けられ、インフルエンザA型・B型の感染を確認できます。
※C型は感染しても大きな問題とならないため、一般外来では検査確認できません。

細長い綿棒を鼻の奥に入れて、ぬぐい液を採取します。
判定までの所要時間は10~15分程度です。

当院では、インフルエンザ流行時期には早期治療開始および感染拡大を予防するため、積極的に迅速抗原検査をご提案させていただきます。

インフルエンザ治療について



抗インフルエンザ薬(原因療法)


現在のインフルエンザ治療の主軸となっているのが、抗インフルエンザ薬の服用による原因療法です。

抗インフルエンザ薬を使用すると、つらい高熱や関節の痛みなどの全身症状から解放される時間が短縮するメリットがあります。

現在承認されている主な抗インフルエンザ薬(飲み薬:タミフル、吸入薬:リレンザ、イナビル、点滴:ラピアクタ)は、“増殖したウイルスが外に拡がるのを防ぐ働きを持つ薬“です。
また、2018年に発売されたばかりの新薬「ゾフルーザ」は、大人も子どもも1回だけ内服すればよく、“細胞内でウイルスが増殖すること自体を抑える働きを持つ薬”のため、従来の抗インフルエンザ薬よりも高い効果が期待できると考えられています。

どちらもウイルスが増殖しきる前の発症後48時間以内に服用することがポイントです。

服用後に症状が軽快したと感じても、完全に体の中からウイルスがいなくなった訳ではありません!解熱後2~3日は家で安静にして、他人にうつさないように注意することも大事です。

一般療法


薬の服用に関わらず、インフルエンザになったら、しっかり安静・休養を取ることが大切です。身体を温かくして安静にすることは、免疫力を高めることにつながります。



また、水分はこまめに取るようにしましょう。水分が全く取れない場合には脱水症状を起こす可能性もあるので、点滴等で補う必要があります。

対症療法


のどの痛みには「消炎鎮痛薬」、全身倦怠感や解熱には「解熱鎮痛剤」、咳や痰には「鎮咳薬・去痰薬」など、症状を和らげるために使用することがあります。
ただし、解熱剤はインフルエンザ脳症との関連性が懸念される種類もあるので、基本的にはアセトアミノフェン(商品名:カロナール®)を使います。
※小児の場合は必須。大人は特に制限はありません。

よくあるご質問



1) インフルエンザと風邪は、どうちがうのですか?


風邪との大きな違いは、インフルエンザは「急激に具合が悪くなること」「鼻や喉の症状よりも先に、関節の痛みや悪寒など全身症状が強く現れること」です。
朝、元気に学校行ったお子さんが、お昼ごろに高熱で早退してくる話もよくあります。
しかし、インフルエンザ症状の出方には、個人差があります。

2)インフルエンザ検査のタイミングは、いつがよいのでしょうか?


インフルエンザウイルスは、高熱が出初めて8時間程度で約100個、約16時間で約10,000個、24時間後には約100万個にまで増えると考えられています。

一般的にインフルエンザ検査では、インフルエンザウイルスの数が約10,000個以上の場合を陽性としているため、「絶対に2回も検査はしたくない!」という方は、発熱後12時間以降がよいでしょう。

3) 子どもに抗インフルエンザ薬というと、異常行動が怖いのですが……。


2007年より厚生労働省では、安全対策調査会にて毎年“抗インフルエンザ薬と異常行動に関する調査”を行っていますが、現在までの結論は「抗インフルエンザ薬の服用の有無や種類にかかわらず、インフルエンザに伴って発現することがある」「抗インフルエンザ薬を服用しない方が、重度の異常行動の発症率は高い」とされています。

お子さん(未成年者)をお持ちの親御さんは、過度に異常行動を恐れず、抗インフルエンザ薬が処方されたら、速やかに服用させましょう。
また、容易に住居外へ出られないよう「窓・玄関の鍵は確実に施錠しておく」など対策を行い、少なくとも発熱2日間は付き添ってあげてください。



(画像引用)厚生労働省|異常行動による転落等の事故を防ぐためのお願い
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/pamphlet181207_01.pdf

4)インフルエンザに感染したら、学校や会社はいつから行ってよいのですか?


学校保健安全法によると、「発症した日から5日を経過し、かつ、解熱した後2日 (幼児は3日)を経過するまで出席停止」となっているため、発症翌日に解熱した最短治癒ケースでも6日間はお休みが必要で、7日目から登校OKとなります。
ただし、医師が感染の恐れがないと認めれば、この限りではありません。

また会社の場合には、法律上の取り決めはありませんが、可能であれば学生同様、6日間お休みした方が感染拡大を防ぐことに繋がります。
やむを得ず出勤する必要がある場合には、マスクを着用しましょう。無理は禁物です!

5) インフルエンザを予防するには、どうすればよいのでしょうか?


① 流行前にインフルエンザ予防接種を受けておく。
感染後に発症を低減させる効果、重症化防止効果が報告されています。



② 手洗い・うがいをしっかり行う。
石鹸と流水でしっかりインフルエンザウイルスを洗い流しましょう。
インフルエンザウイルスには、アルコール除菌も効果的です。
③ 湿度の調整
乾燥すると気道粘膜の防御作用が低下して、インフルエンザに感染しやすくなります。加湿器などで50~60%に保つと良いでしょう。
④ 十分な休養と栄養バランス良い食事
十分な休養と栄養バランスの良い食事をすると、体の免疫力の強化が図れます。
⑤ 人混みを避ける
インフルエンザ流行時期は、高齢者・持病のある方、妊婦さん、睡眠不足の方は、できるだけ人混みへの外出を避けると良いでしょう。
やむを得ない場合には、マスクの着用、こまめな手洗いうがいなど予防対策を行いましょう。

6) 家族がインフルエンザに感染してしまったので、家族に予防的にお薬が欲しいです。


インフルエンザの予防薬を処方することはできますが、自費診療となってしまいます
ご希望の方は医師にご相談ください。
ただし、診察料金と薬料金を合わせて、7,000円から10,000円程度の費用が必要となります。
診察料金(クリニックにて):4,000円
薬料金(調剤薬局にて):約3,000~6,000円(処方薬により異なります)

まとめ




近年インフルエンザは、抗インフルエンザ薬の開発もあって、より効率的に治療が行えるようになり、昔ほど“特効薬のない怖い病気“と思う方も少ないかもしれません。
しかし、高齢者、慢性疾患のある方、お子さん、妊婦さんにとっては、危険な合併症に繋がる恐れもある“怖い病気”には変わりありません。

「予防に勝る治療なし」です。
一人一人が日頃から予防に努め、また他人にうつさないよう配慮することが大切です。
もし感染してしまったら、発症48時間以内に当院までご来院ください

記事執筆者

西馬込あくつ耳鼻咽喉科
院長 阿久津 征利

日本耳鼻咽喉科学会 専門医
日本めまい平衡医学会 めまい相談医

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