トランプ大統領も飲んでいた亜鉛に注目!縁の下の力持ち〜亜鉛の働きについて~

当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨
過去のレシピに関してはこちらよりご覧ください。

普段あまり注目されることの少ない栄養素の一つ、亜鉛ですが、トランプ前米大統領が新型コロナウィルスにかかった時に、亜鉛を治療サポートに使用したことで注目されました。
その回復の早さに驚きましたよね。
亜鉛は免疫細胞を活性化させ、体の免疫システムの働きに関与していることがわかっています。
コロナウイルスの感染者の中で重症化した患者は軽症の患者と比べ、低亜鉛状態だったという報告もあります。

免疫機能を活性化する他にも、元気で過ごすために欠かせない重要な役割を持っている亜鉛は、
目立つことはあまりないですが、‘縁の下の力持ち’的な存在です。
今回は亜鉛の働きや、不足することによって起きる症状、亜鉛を含む食材を使ったレシピをご紹介します。

亜鉛とは?

亜鉛は人体にとって重要なミネラルの1つです!!!

体を維持するのに必要な5大栄養素の一つであり、自分の体では合成できないため、食事などから摂取する必要があります。体内に約2グラムと微量ですが、身体機能がスムーズに働くためには重要な栄養素です。

亜鉛は細胞分裂の際の遺伝子情報の伝達や複製、多くの酵素の構成成分で、ウィルスから体を守ったり、タンパク質やホルモンの合成にも関わっています。

亜鉛が不足することによって起きる症状

①味覚障害
舌の上皮細胞には亜鉛が豊富にあります。味蕾細胞を育てるのに亜鉛は必要な栄養素で、味蕾細胞は新陳代謝が活発で約2週間のサイクルで生まれ変わります。亜鉛はこの働きを促していて、不足すると味覚障害が起きることがあります。

②脱毛・皮膚炎
皮膚・毛髪には体内亜鉛の約8%が存在しており、さらに皮膚表面のタンパク質の合成に関わっています。そのため亜鉛欠乏になると皮膚や粘膜、髪や爪が弱くなったり、皮膚炎や脱毛につながります。

③免疫力が下がる
免疫機能には多くの免疫細胞が関わっています。マクロファージ、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)などの免疫細胞がウィルスや細菌といった外部からの異物を捕食、攻撃して排除します。亜鉛が不足するとこれらの免疫細胞の働きが悪くなり、免疫機能が低下すると言われています。
また亜鉛は風邪の重症化や長期化を防ぐという研究結果もあります。

④下痢・食欲不振
亜鉛が欠乏すると消化管粘膜が萎縮するため、消化液の分泌減少や消化管運動が低下します。ひどくなると慢性の下痢を起こすことがあります。

⑤生殖機能障害
男性ホルモンの1種であるテストステロンの合成に亜鉛が関与しています。亜鉛は新しい細胞を作る器官で欠かせない役割を持っています。そのため亜鉛不足では生殖器に影響が及ぶことがあります。亜鉛不足が続くと正常な精子の生成が妨げられることがわかっています。

⑥貧血
貧血と言えば鉄不足⁉︎と思い浮かぶかもしれませんが、亜鉛は赤血球を作る時に必要なため、亜鉛不足は赤血球の正常な生成を妨げ貧血になることが知られています。

⑦低身長
亜鉛は成長ホルモンなどのホルモンの合成や分泌に関わっています。成長期の子どもが不足すると身長の伸びが悪くなることがあります。

⑧骨が弱くなる
亜鉛は骨の生成に関わっていて、骨作りをサポートしています。そのため不足すると骨が弱くなると言われています。

亜鉛を多く含む食材!いりことアーモンド和え

 

■材料
食べる煮干し35グラム
アーモンド30グラム
いりごま大さじ1
しょうゆ大さじ2/3
酒小さじ1
蜂蜜またはメープルシロップ大さじ1(お好みの甘さで調整してください)

■作り方

1、耐熱皿に食べる煮干しを並べ、電子レンジ600ワットでラップをせずに1分30〜40秒加熱する。
*電子レンジによって加熱が違うので様子を見て判断してください。

2、アーモンドは食べやすいように包丁で刻む。

*袋などに入れめん棒や自分の体重等で押しつぶして細かくしてもいいです。

3、耐熱容器に調味料を入れて、600w20秒加熱し、1と2を加えて混ぜ合わせ600w20秒加熱して、いりごまをふる。

まとめ

今回は亜鉛の働きについてご紹介しました!

亜鉛は体内で様々な働きに関与しています。
日本は先進国で唯一、人口の10〜30%が亜鉛欠乏状態と言われています。その理由として、日本人は亜鉛を多く含む赤身の肉、鶏肉の摂取量が欧米に比べて少ないからと考えられています。
他にも亜鉛不足になる要因として、加工食品に偏った食事(亜鉛は食品加工する過程で失われることが多いため)、過度な食事制限なども指摘されています。
年齢に関係なく元気で過ごすために大切で必要な栄養素です。

ぜひ亜鉛を含む食材を意識して食生活に取り入れてみてくださいね。
次回もお楽しみに(^ ^)

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

詳細はこちら