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ビタミンA

ビタミンA

口・鼻・喉・肺・胃などの粘膜を守り、がんの発症を抑えるビタミンA。髪や爪・美肌などの美容に必要不可欠ですし、高齢者の皮膚の感想などもビタミンA不足が関与しています。風邪をひきやすかったり、がん・動脈硬化・心臓病の予防をしたいなどの方は、積極的にビタミンAを摂取するよう心がけましょう。

ビタミンAはビタミンB群の1つであり、主に動物性食品に含まれ、皮膚・粘膜・目の健康、動物の成長に関わる栄養素です。発展途上国では多くのこども達がビタミンA欠乏症で失明の不安を抱えています。

ビタミンB群に属する栄養素としては...
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB12、葉酸などがあります。ビタミンB群はどれかひとつだけでは効果を発揮しにくく、お互い助け合いながら働きます。日本ではきちんと3食食べることができますし、綺麗な水を飲むことができるので発展途上国のようなビタミンA不足にはなりませんが、実は身体のいろんな部分でトラブルが起きている可能性があります。髪や爪・美肌などの美容にビタミンAは必要不可欠ですし、高齢者の皮膚の感想などもビタミンA不足が関与しているからです。

ビタミンAって?


ビタミンAは、発育を促進したり、肌の健康を維持したり、暗いところでも目が慣れて見えるようになる機能(視覚の暗順応)に関わったり、さらにのどや鼻などの粘膜に働いて細菌から体を守ったりなど、たくさんの重要な役割を持っています。

1930年代以降に視覚にレチノールが関係することがわかり、網膜という意味の「レチナ」が語源となって名付けられました。緑黄色野菜に含まれるカロテノイドは、動物体内でビタミンAに変換することがいわれており、プロビタミンAともよばれます。

ビタミンAには、レチノール・レチナール・レチノイン酸の3種類があります。レチナールは、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強める役割があり、暗いところでの視力を保つ働きがあります。がんに働くのはレチノイン酸です。

食べ物から摂取したビタミンAは、まず、まず胃で分解されます。その後、ビタミンAはあぶらと一緒に小腸上皮細胞で吸収されます。吸収されたビタミンAはタンパク質(レチノール結合タンパク質:RBP)とくっつき、そこにタンパク質のふた(トランスサイレチン)がかぶさって、血液にのって肝臓や他の場所まで厳重に運ばれ、いざというときに備えて貯められます。せっかく摂ったビタミンAを体中に運び届けるために、十分なタンパク質を摂りましょう。

1926年に、日本の内務省栄養研究所(現在の国立健康・栄養研究所)の藤巻良知が、ビタミンA欠乏症のネズミに上皮細胞がんが発生しやすいこと、特に胃がんの発症が多くみられることを発見しました。こうした欠乏症の報告から、ビタミンAには「健康促進」「胃がんなどの発症を抑制する」作用があるなどということが明らかになりましら。その後多くの実験や研究成果を重ねて、ビタミンAの効力がいっそう明確な姿を現すことになりました。

ビタミンAにはどんな働きがあるの?


●皮膚や各機関の粘膜を保護し、免疫機能を維持
●肌の状態を良くし、髪や爪を育てる
●骨や皮膚のつくりかえに役立つ
●体の成長を促進する
●視力のもとになる
●肝臓機能の正常化
●IgA抗体をつくる
●遺伝子の発現・制御に関与する
●発がん抑制作用
●有害な活性酸素から体を守る抗酸化作用

ビタミンA不足するとどんな症状が起こるの?


下記に当てはまる方はビタミンA不足の可能性があります。

□のどや気管支を傷めやすい
□鼻の中が乾燥する
□ポリープができやすい
□胃腸が弱くなる
□婦人科系のトラブルが起こりやすい(子宮内膜症・子宮筋腫)
□胃・子宮などのがんになりやすい
□骨折しやすい
□イボ・ウオノメができやすい
□ニキビや吹き出物ができやすい
□アトピー性皮膚炎が気になる
□毛髪・皮膚のうるおいがなくなる
□手やかかとがあれやすい
□しわが気になる
□肌荒れ
□爪が割れる
□アレルギーになりやすい
□視力の低下
□夜間、ものが見えにくい
□眼球の乾燥(ドライアイ)
□肝臓の繊維化(肝硬変)
□感染症にかかりやすくなる(免疫力の低下)
□ピロリ菌に感染している
□口内炎
□歯茎が腫れる
□がん家系である

ビタミンAを積極的に摂取したほうがいいのはどんな人?


ビタミンAを取っていていても下記に当てはまる方はより多くのビタミンAが必要となります。そのため、特に不足しないように注意が必要です。

□暗いところで目が慣れにくい
□風邪をひきやすい
□肌がかさつく
□授乳期の女性
□がん・動脈硬化・心臓病の予防をしたい

※妊娠中や妊娠前のビタミンAの過剰摂取は「胎児奇形、脳や心臓に先天性異常のある子供を産む危険性が高くなる」とされています。通常の食生活では心配はありませんがサプリメントで大量に摂る時には注意が必要です

1日に必要な摂取量はどのくらいなの?


ビタミンAが不足すると、暗いところで目が見えなくなる“とり目”と呼ばれる欠乏症がおこることが知られています。現在の日本ではほとんどみられませんが、栄養状態がよくない発展途上国において、子どもたちが失明する重大な原因になっています。その他の不足の症状では、皮膚および粘膜の乾燥や角質化などが生じるため、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まって感染症にかかりやすくなります。

ビタミンAの過剰症は通常の食事ではほとんど起こりません。しかし、サプリなどでとり過ぎてしますと、肝臓に貯蔵されて肝障害などの副作用をおこすおそれがあります。サプリメントやビタミン剤を摂取する場合は使用法をきちんと守りましょう。特に、妊娠期または妊娠を希望する女性での過剰摂取は胎児への悪影響が報告されていることから、とり過ぎにならないように気をつけてください。

▼過剰摂取時の症状例
□肝障害
□頭痛
□顔面の紅潮
□吐き気
□疲労感
□皮膚の乾燥・剥離・かゆみ
□脱毛
□胎児異常などの原因

※β-カロテンからのビタミンAへの変換は必要に応じて厳密に調節されているため、β-カロテンによるビタミンAの過剰症は起こらないとされています。

下記は厚生労働省が日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書を基に、ポイントをスライドにまとめた一部です。厚生労働省の推奨量は必要最低量であり、普段からこの量を摂取できていれば問題がないわけではありません

引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

ビタミンAを多く含む食材


ビタミンAとして働く成分を多く含む食品は、レバー、うなぎ、バター、卵、スイカやみかんなどの果実、緑黄色野菜などです。また、国民健康・栄養調査結果からみると、私たち日本人は緑黄色野菜からとるビタミンAが最も多く、4割余りを占めています。私たち日本人にとって緑黄色野菜はビタミンAの供給源としてとても重要なのです。「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」では、野菜を1日に350g以上(そのうち、緑黄色野菜は1日120g以上)、果物は200g以上食べることが推奨されています。

レチノールは、「光・酸素・熱・酸」によって壊れやすい性質があり、β-カロテンは「光・酸素」に弱く、「熱・酸」には比較的強い性質があります。炒めものや揚げもの、ドレッシングなど油を使った調理がおすすめです。体内のビタミンAが不足すると、β-カロテンなどのプロビタミンAから「必要な分だけ」ビタミンAが作られます。ニンジンなど緑黄色野菜から積極的にβ-カロテンを摂取するのがよいでしょう。

風邪などの予防法などで、やっかいな風邪を予防する方法として粘膜強化が有効です。そのためにも免疫を高めるビタミンCとともに、敵の浸入から身を守るためのタンパク質とビタミンAは必須の材料です。

まとめ


肌のカサカサや眼の乾燥は、空気の乾燥やパソコンだけが原因ではないかもしれません。ビタミンAが不足すると意外な症状が出ます。もし、気になる症状がありましたら、ご相談ください。

皮膚や粘膜を健康に保つことで、ビタミンAはよく知られています。口内炎や喉の腫れを防ぎ、風邪を引きやすくくしたりするのは、ビタミンA類緑体の1つであるレチノイン酸の働きによるものです。レチノイン酸は、上皮細胞の形成や働きに大きく関わって、皮膚や粘膜の免疫機能を維持しています。
髪や爪・美白などの美容にビタミンAは必要不可欠ですし、高齢者の皮膚の乾燥などにも関与しています。

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  1. パントテン酸 (ビタミンB5)

    パントテン酸はさまざまな代謝やホルモン合成などを正常に維持することに役立っています。パントテン酸が不足すると、ストレスに対する抵抗力が弱まってしまい、イライラや不眠や倦怠感などが出てきてしまうので、気になる方は積極的に摂取していただきたいです。

  2. ビタミンB2

    ビタミンB2は脂質・糖質・タンパク質が分解されエネルギーにかわる際にサポートする栄養素です。不足してしまうと、口内炎ができてしまったり、肌・髪のトラブルが出てきたりと様々あります。きちんと食事を摂っていてもビタミンB2は水に流れやすいので、実は不足しているという可能性があります。食事やサプリなどで意識的に摂取するようにしましょう。

  3. ビタミンB6

    ビタミンB6は、胎児期および乳児期の脳の発達や、免疫機能にも関与しているので大人だけでなくお子さんにも大事な栄養素です。腸内細菌によってもつくられることから、一般的にはきちんとした食事を毎日摂っていれば不足しにくいのですが、発育期のお子さんや月経中や妊娠中・授乳中の女性、抗生剤を長期間飲んでいる人などは積極的に摂取したい栄養素です。

  4. ビタミンB12

    ビタミンB12は血液をつくったり神経の機能を正常に保ったりするのに重要な役割を果たす私たちの身体の大事な栄養素です。欠乏すると貧血や不眠症、胎児・乳幼児の成長不良などにつながります。ビタミンB12は食品に添加されることがありますが、なるべく食品そのものから摂取することが望ましいです。

  5. ビタミンD

    ビタミンDはビタミンB群の1つであり、カルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の成長促進、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割のある栄養素です。摂取は食べ物からと日光から得ることができます。紫外線対策をされている方はビタミンD産生能力が低下することに加え、通常よりも多くのビタミンDを食事から摂取する必要があることが指摘されています。

  6. ビタミンE

    ビタミンEは抗酸化力が高く、実にさまざまな働きを持っているとても大切な栄養素です。血行促進やホルモンバランスなどを正常に保つ働きがあります。ビタミンEは多くの食品に自然に含まれるだけでなく、酸化防止剤として食品に添加されることもあります。食品を購入する際には裏面の原材料表示を確認し、良質の植物油を選んで積極的に摂り入れましょう。

  7. ビタミンK

    ビタミンKはビタミンB群の1つであり、止血や骨や歯を丈夫にするなどの効果があります。新生児や抗生物質を長期間飲んでいる人は欠乏しやすいので積極的な摂取が必要になります。カルシウムを豊富に含む食品と合わせて摂るのがおすすめです。

  8. 葉酸

    葉酸はビタミンB群の1つです。妊婦さんに限らず、年齢問わずに女性、男性、子どもにも大切な栄養素です。葉酸が欠乏すると貧血やめまいなどが起こると言われています。妊娠中の方以外には特にアルコールをよく摂取する人や、欠食の習慣があり食事量が少ない方、極端な偏食がある方などは不足しているかもしれませんので積極的に摂取を心がけましょう。

  9. ビタミンB3(ナイアシン)

    ナイアシンは、500種以上の酵素の補酵素として、エネルギー産生、糖質、脂質、タンパク質の代謝、肪酸やステロイドホルモンの生合成、DNAの修復や合成、アルコールの代謝など様々な機能に関わっています。二日酔いの原因にもなる「アセトアルデヒド」を分解する酵素の補酵素として働くため、アルコールをたくさん飲む人はナイアシンを積極的に摂り入れましょう。

  10. ビタミンB1

    日本人が1番最も不足しやすいと言われるビタミンB1は、炭水化物からエネルギーを産生するためにとても大切な役割を果たすビタミンです。そのため「食欲不振」「イライラ」「だるさ」「動悸」「息切れ」などが生じます。多くの食物に含まれていますが、体に貯蔵できず排泄されやすいため、知らない間に不足している場合もあります。

  11. ビタミンC

    ビタミンCはビタミンB群の1つであり、コラーゲンを生成し、血管・皮膚・粘膜・骨を強くし、免疫力を高めるなどの働きがあります。ストレスが多いと欠乏しやすいので、なにかと忙しい現代社会の中でストレス解消法を持つことが大切です。肌にハリ・ツヤなどの美容への期待や風邪や感染症などを防ぐのはもちろん、最近はビタミンCの抗酸化作用が注目され、がんや動脈硬化の予防や老化防止にビタミンCが有効であることが期待されています。

  12. ビタミンA

    口・鼻・喉・肺・胃などの粘膜を守り、がんの発症を抑えるビタミンA。髪や爪・美肌などの美容に必要不可欠ですし、高齢者の皮膚の感想などもビタミンA不足が関与しています。風邪をひきやすかったり、がん・動脈硬化・心臓病の予防をしたいなどの方は、積極的にビタミンAを摂取するよう心がけましょう。