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ビタミンD

ビタミンD

ビタミンDはビタミンB群の1つであり、カルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の成長促進、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割のある栄養素です。摂取は食べ物からと日光から得ることができます。紫外線対策をされている方はビタミンD産生能力が低下することに加え、通常よりも多くのビタミンDを食事から摂取する必要があることが指摘されています。



ビタミンDはビタミンB群の1つであり、カルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の成長促進、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割のある栄養素です。健康な骨を維持するために欠かせない、脂溶性のビタミンです。また最近では、免疫力アップ効果やガンや糖尿病、自閉症、妊娠しやすい体作りなどに有効かもしれないという報告もあります。

ビタミンB群に属する栄養素としては...
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB12、葉酸などがあります。ビタミンB群はどれかひとつだけでは効果を発揮しにくく、お互い助け合いながら働きます。

花粉症が気になる、感染症(インフルエンザなど)を予防したり、がんの予防や治療、骨粗しょう症を予防したい、うつ病、統合失調症であるなどの方はビタミンDを積極的に摂取することをおすすめします。

ビタミンDって?


ビタミンDの発見は、1919年にアメリカのメランビーが日光を遮断した室内で飼育された犬がくる病(骨軟化症)になることを経過観察したことが始まりです。メランビーはくる病の犬にタラの肝油を与えたことで症状が改善と治癒が可能になることを証明しました。

ビタミンDにはD2〜D7の6種類があります。(ビタミンD1はビタミンD2を主成分とする混合物であることが判明し、現在は欠番となっています)人にとって重要なビタミンDはD2とD3の2つです。ビタミンD2は植物に、ビタミンD3は動物に多く含まれています。D2とD3の働きは同じといわれていますが、最近ではビタミンD3の方がD2よりも2倍働きが強いとも言われています。

ビタミンDは、身体が食料品やサプリメントからカルシウム(骨の主要成分のひとつ)を吸収するのを助けることによって、強い骨を維持するビタミンです。ビタミンDはカルシウムの助っ人として体内でカルシウムの吸収を助け、血液中のカルシウムを骨まで運ぶ手伝いをして、カルシウムが骨に沈着するのを助ける働きがあります。

その他にも多くの意味において身体にとって重要な栄養素です。たとえば、筋肉を動かすため、神経が脳と身体のあらゆる部位との間のメッセージを伝達するため、免疫系が体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するために不可欠です。カルシウムと共にビタミンDもまた高齢者を骨粗鬆症から守ります。ビタミンDは全身の細胞内に存在しています。

ビタミンDはコレステロールから人の体内でも合成されるため、「ビタミンではない」という学説もあるますが、消化管からビタミンDの吸収が低下すると容易にビタミンD欠乏症になる恐れがあり、体外からの摂取は不可欠となっています。

ビタミンDにはどんな働きがあるの?


●カルシウムとリンの吸収・代謝に関与
●骨の形成と成長促進
●歯の形成
●遺伝子の働きを調節(免疫向上・糖尿病予防・発ガンの抑制)
●免疫細胞の調節

ビタミンD不足するとどんな症状が起こるの?


下記に当てはまる方はビタミンD不足の可能性があります。

□クル病(小児)
□骨軟化症、骨粗しょう症(成人)
□骨の変形
□糖尿病
□動脈硬化
□免疫力低下・筋力低下
□自閉症
□うつ
□花粉症など各種アレルギー
□習慣性流産

ビタミンD不足になりやすい人は?


ビタミンDを摂取していても下記に当てはまる方はより多くのビタミンDが必要となります。そのため、特に不足しないように注意が必要です。

□日照の少ない生活環境にいる方
□紫外線を遮断するような化粧品を常用している方
□皮膚でのビタミンD産生能力が低下している高齢者の方
□大気汚染

1日に必要な摂取量はどのくらいなの?


ビタミンDが不足すると小腸や腎臓からのカルシウム吸収が不十分となり、骨や歯の形成もうまくいかなくなり、成人では骨軟化症を引きおこすといわれています。高齢化社会を迎えて、日本でも骨粗しょう症(カルシウムの項を参照)の人が増えています。年齢問わず、ビタミンDとカルシウムを十分にとることに加え、適度な日光浴と運動に配慮して丈夫な骨をつくりましょう。

妊娠中・授乳中の方は不足しないように注意が必要です。乳児の体内ビタミンD量は母親のビタミンD量によって決まります。とくに妊娠中期の母親のビタミンD量は新生児の成長に関係するため、積極的な摂取を心がけましょう。妊娠中にビタミンDを十分に摂取することで、こどもが小児ぜんそくにかかるリスクが大きく低下することもわかっています。

一方、ビタミンDのとり過ぎは、高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化など過剰症をまねくおそれがあります。通常の食事から過剰症になることはほとんどありませんが、サプリメントや薬などから誤って大量摂取しないように注意が必要です。かつて欧米でビタミンD強化食品が多かった時代に、特発性高Ca血症と関連する病気が増えたそうです。

ビタミンDに関しては、皮膚でつくられるビタミンD量と食べ物から摂るビタミンD量を足した量で毒性が無いことが重要となります。しかし、従来規定されていた摂取上限では、本来ビタミンDが持つ多くの有益な作用が得られないことが指摘されてきています。

ビタミンDを多く取っても1日目安量の10倍(50g)を超えなければ安全です。そこで成人における上限量は50μg/日と設定されています。毒性が認められたケースでは、成人では継続的に2500μg/日を摂取すると2〜3ヶ月以内に毒性が認められます。しかし、太陽光から隔離された環境では、前出「の目安量の摂取では不足がちとなります。
※少し前はIU(アイユー)という国際単位で示されましたが、現在はμg(マイクログラム)で表されます(1μg=40IUです)

例えば、潜水艦の乗組員での調査では、400IU/日の摂取でも血中ビタミンD濃度を適切に維持できないとの報告があります。これにより食事からの摂取だけでなく日光浴も大切ということが分かります。

1日当たりのビタミンD所要量は年齢によって異なります。厚生労働省の推奨量は、必要最低量であり、普段からこの量を摂取できていれば問題がないわけではありません


※引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※妊娠中の女性の場合の目安量は8.5μg、授乳婦の場合の目安量は8.5μg

ビタミンDを多く含む食材


人がビタミンDを得るには2つの方法があります。食べ物から摂る方法と、日光を浴びて紫外線にビタミンDをつくってもらう方法です。食べ物由来のビタミンDは、ビタミンD2が植物由来、ビタミンD3が動物由来です。

■食べ物から摂取する場合
ビタミンDは油に溶けやすく水に溶けにくい性質を持つ脂溶性ビタミンです。脂溶性ビタミンは熱に強いという特徴がありますので、炒め物や揚げ物などの油を使う料理で摂取するとよいでしょう。特に多く含まれているのは、サケ、マグロ、サバといった脂肪性の魚です。穀類や野菜には含まれておらず、肉類にもそんなに多くはありません。

食べ物にも人と同じく、紫外線に当たるとビタミンDが増加する物があります。いわしの丸干しや乾燥きくらげなどがその例ですが、中でもしいたけは、紫外線に当たるとビタミンDに変わる成分「エルゴステロール」が豊富で、天日を当てて乾燥した干しシイタケは、生のものに比べビタミンDを多く含んでいます。

■日光から摂取する場合
ビタミンD3をつくってくれる紫外線。紫外線の中のUV-B(280~315nm)と呼ばれる光がつくってくれます。UV-Bは、日焼けの原因になる光です。そしてUV-Bのうち、295nmでいちばんたくさんビタミンD3がつくられます。

一番簡単にビタミンDを補う方法は“日焼けしない程度の時間”、朝起きてから窓を開けて深呼吸をしながら数十分だけでも日光に当たることです。(梅雨や冬季の晴れが少ない日は週に2〜3回)紫外線を浴びるとビタミンDが生成されるのです。UV-Bは服やガラスを通さないため、いつも屋内で過ごしたり、外出するときに必ず日焼け止めを塗る人は、ビタミンD不足になっているおそれがあります。

現代人は紫外線を避ける傾向が強く、過剰なUV対策や夜型生活など、ライフスタイルや食生活の変化によって、ビタミンD不足が増えている傾向が指摘されています。

※引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

まとめ


ビタミンDの生理作用の主なものに、正常な骨格と歯の発育促進が挙げられます。また、小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収を促進させ、血中カルシウム濃度を一定に調節することで、神経伝達や筋肉の収縮などを正常に行う働きがあります。

海外と比べると日照に恵まれている日本では、健常人が適度な日光のもとで通常の生活をしている場合、ビタミンDが不足することは少ないと考えられます。しかし、紫外線対策をしていたり、日中外に出る時間が少ない人は皮膚におけるビタミンD産生能力が低下することに加え、通常よりも多くのビタミンDを食事から摂取する必要があることが指摘されています。

感染症やがんへの予防・骨粗しょう症を予防したい・うつ病、統合失調症であるなどの方・日光に当たる機会が少ないと感じている人は、意識して食事からビタミンDを摂取することすることが大切になるでしょう。気になる方は血液検査にてビタミンDを測ってみるといいかもしれません。

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  1. パントテン酸 (ビタミンB5)

    パントテン酸はさまざまな代謝やホルモン合成などを正常に維持することに役立っています。パントテン酸が不足すると、ストレスに対する抵抗力が弱まってしまい、イライラや不眠や倦怠感などが出てきてしまうので、気になる方は積極的に摂取していただきたいです。

  2. ビタミンB2

    ビタミンB2は脂質・糖質・タンパク質が分解されエネルギーにかわる際にサポートする栄養素です。不足してしまうと、口内炎ができてしまったり、肌・髪のトラブルが出てきたりと様々あります。きちんと食事を摂っていてもビタミンB2は水に流れやすいので、実は不足しているという可能性があります。食事やサプリなどで意識的に摂取するようにしましょう。

  3. ビタミンB6

    ビタミンB6は、胎児期および乳児期の脳の発達や、免疫機能にも関与しているので大人だけでなくお子さんにも大事な栄養素です。腸内細菌によってもつくられることから、一般的にはきちんとした食事を毎日摂っていれば不足しにくいのですが、発育期のお子さんや月経中や妊娠中・授乳中の女性、抗生剤を長期間飲んでいる人などは積極的に摂取したい栄養素です。

  4. ビタミンB12

    ビタミンB12は血液をつくったり神経の機能を正常に保ったりするのに重要な役割を果たす私たちの身体の大事な栄養素です。欠乏すると貧血や不眠症、胎児・乳幼児の成長不良などにつながります。ビタミンB12は食品に添加されることがありますが、なるべく食品そのものから摂取することが望ましいです。

  5. ビタミンD

    ビタミンDはビタミンB群の1つであり、カルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の成長促進、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割のある栄養素です。摂取は食べ物からと日光から得ることができます。紫外線対策をされている方はビタミンD産生能力が低下することに加え、通常よりも多くのビタミンDを食事から摂取する必要があることが指摘されています。

  6. ビタミンE

    ビタミンEは抗酸化力が高く、実にさまざまな働きを持っているとても大切な栄養素です。血行促進やホルモンバランスなどを正常に保つ働きがあります。ビタミンEは多くの食品に自然に含まれるだけでなく、酸化防止剤として食品に添加されることもあります。食品を購入する際には裏面の原材料表示を確認し、良質の植物油を選んで積極的に摂り入れましょう。

  7. ビタミンK

    ビタミンKはビタミンB群の1つであり、止血や骨や歯を丈夫にするなどの効果があります。新生児や抗生物質を長期間飲んでいる人は欠乏しやすいので積極的な摂取が必要になります。カルシウムを豊富に含む食品と合わせて摂るのがおすすめです。

  8. 葉酸

    葉酸はビタミンB群の1つです。妊婦さんに限らず、年齢問わずに女性、男性、子どもにも大切な栄養素です。葉酸が欠乏すると貧血やめまいなどが起こると言われています。妊娠中の方以外には特にアルコールをよく摂取する人や、欠食の習慣があり食事量が少ない方、極端な偏食がある方などは不足しているかもしれませんので積極的に摂取を心がけましょう。

  9. ビタミンB3(ナイアシン)

    ナイアシンは、500種以上の酵素の補酵素として、エネルギー産生、糖質、脂質、タンパク質の代謝、肪酸やステロイドホルモンの生合成、DNAの修復や合成、アルコールの代謝など様々な機能に関わっています。二日酔いの原因にもなる「アセトアルデヒド」を分解する酵素の補酵素として働くため、アルコールをたくさん飲む人はナイアシンを積極的に摂り入れましょう。

  10. ビタミンB1

    日本人が1番最も不足しやすいと言われるビタミンB1は、炭水化物からエネルギーを産生するためにとても大切な役割を果たすビタミンです。そのため「食欲不振」「イライラ」「だるさ」「動悸」「息切れ」などが生じます。多くの食物に含まれていますが、体に貯蔵できず排泄されやすいため、知らない間に不足している場合もあります。

  11. ビタミンC

    ビタミンCはビタミンB群の1つであり、コラーゲンを生成し、血管・皮膚・粘膜・骨を強くし、免疫力を高めるなどの働きがあります。ストレスが多いと欠乏しやすいので、なにかと忙しい現代社会の中でストレス解消法を持つことが大切です。肌にハリ・ツヤなどの美容への期待や風邪や感染症などを防ぐのはもちろん、最近はビタミンCの抗酸化作用が注目され、がんや動脈硬化の予防や老化防止にビタミンCが有効であることが期待されています。

  12. ビタミンA

    口・鼻・喉・肺・胃などの粘膜を守り、がんの発症を抑えるビタミンA。髪や爪・美肌などの美容に必要不可欠ですし、高齢者の皮膚の感想などもビタミンA不足が関与しています。風邪をひきやすかったり、がん・動脈硬化・心臓病の予防をしたいなどの方は、積極的にビタミンAを摂取するよう心がけましょう。