フィッシュボーンブロス

当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨

第6回目は前回に続き、ボーンブロスをご紹介します🍳 前回は鶏を使ったレシピでしたが、今回は魚を使ったレシピです!

第5回目には、腸チェックシートとボーンブロスを食べることのメリットをご紹介しています◎まだご覧になっていない方ははこちらからご覧ください!

ご自身の腸の状態を知ることで「食べるものを改善しよう!」という気持ちにもなりますし、一度ボーンブロスを作って食べてみると、少しの量でも満腹感が得られ、身体が喜んでいることが分かります。ボーンブロスは、お腹が弱い方や女性にとっては嬉しい効果がたくさんあるので、是非おすすめしたいレシピです。

ボーンブロスは、身体にとって嬉しい効果がたくさんあります🙆‍♀️

・脂肪を増やさずに満腹感を得ることができる
・コラーゲンを構成する栄養素が多く含まれる
・体から毒素を排出してくれる
・腸を癒す
・関節を癒す
・炎症を抑える

レシピ後にはボーンブロスの栄養素などについてもまとめますので、是非ご覧ください!

フィッシュボーンブロス

材料

鯛のアラ  500 g
カブ    2 個 (400 g)
しいたけ  2 枚 (30 g)
長ネギ   1 本 (100g)
りんご酢  大さじ1
水     500ml 
(鍋で作る場合は750ml、炊飯器は500ml)
昆布    5 cm
塩     7.6g全体量 0.5%)

※肉のボーンブロスと違い魚のボーンブロスフィッシュボーンブロス は濃度が薄めになりますのでアラをできるだけ多めに入れることがポイントです

調理で使うもの

今回は長い間煮込むので、火の心配もなく忙しい方の味方になる SHARP の自動調理無水鍋「ヘルシオホットクック」を使った調理方法を紹介します。

ホットクックは野菜や肉、魚など、加熱した食材から出る水分を利用して、うまみや栄養分たっぷりの無水調理を全自動で作れます。材料と調味料を入れスイッチを押すだけで、調理が作れると調理に時間をかけられない方などを中心に人気です。

ホットクックをお持ちでない方でも鍋や炊飯器を使って作ることが可能です!(鍋で作るときは水の量だけが異なります)

作り方

1、鯛のアラが大きければぶつ切りにする
  塩(分量外)をひとつまみ (1 〜 2 g程度)ふり20 分ほど放置する

2、その後、たっぷりのお湯をかけます(表面が白くなる程度)
   すぐに冷水に取り、鱗、血の塊など汚れを手早く洗い落とします
   *歯ブラシなどを使うと簡単に汚れを取ることができます

3、野菜を切っていきます
  カブは 6 等分の櫛切りに(歯の部分も使用します)、椎茸は 1 cm幅、ネギは斜めに切っていきます

4、ホットクックの内鍋に 鯛と野菜、水 500ml 、昆布 5cm、塩 7.6g( 全体量 0.5%)、りんご酢を入れます
※塩の量は下記で計算します (鯛500g+かぶ400g +しいたけ30g +長ネギ100g+水500ml) ×0.5% 

5、調理する、完成
♦︎ホットクックで調理する場合
手動で作る  →スープを作る  →まぜない →1 時間加熱する

♦︎炊飯器で調理する場合
材料を入れて、通常通り(ご飯を炊くのと同じように)にスイッチを押す

♦︎鍋で作る場合
材料を入れて、弱火で1時間~2時間ほど加熱してください

*キッチンペーパーなどでこすと小さなお子さんやお年寄りの方でも気軽に安心して飲むことができます
*骨が多いので気をつけてお召し上がりください

ボーンブロスにはどんな栄養があるの?

ボーンブロスの主な栄養素とその効果を下記にまとめてみました。材料の食材によっても異なりますが、基本的には下記の栄養素を得ることができます。

コラーゲン
皮膚や血管、骨、関節、内臓など健康に保つために不可欠です。肌や髪を若々しく保ち、シワやたるみの改善をします。腸の細胞を保護し、腸の炎症を抑える作用もあります。

ヒアルロン酸
化粧水や美容液でよく聞きますね。水と結合してゲル状になり、肌の柔軟性を守ります。肌のキメやハリを保つのに役立ちます。細菌の侵入や毒物の浸透を防ぐ役割もあります。

ミネラル
カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが豊富です。ボーンブロスに含まれるミネラルは消化吸収されやすくなっているので、効率よく摂取することができます。

ゼラチン
腸内環境を改善する働きがあり、傷がついた腸壁を修復し、腸内に良い細菌を増やしてくれます。

アミノ酸
プロリン、グルタミン、アラニン、グリシン傷ついた腸の粘膜を修復します。腸へ直接吸収されるので、スムーズに腸の修復を促します。

プロリン
肌に潤いをもたらす天然保湿成分で、コラーゲンの使用成分。コラーゲンの合成を促進する働きがあるので、関節の修復にも効果があり、特に痛んだ胃や腸の修復に有効です。

グルタミン
腸粘膜上皮や免疫細胞のエネルギー源でもあります。筋肉に多く含まれていることから筋トレをしている人などに多く摂取されている栄養素でもあります。消化管から細菌が侵入するのを防ぎ、免疫機能の活性化にも役立っています。胃腸の働きを助ける作用や、アルコールの代謝を促進する作用もあると言われ ています。

アラニン
肝臓の働きを助け、二日酔いにも効果があります。長時間の運動でもエネルギー源となり、筋肉が分解されにくくなります。質のいい睡眠に役立ちます。コラーゲンの材料となり、肌にハリを持たせます。消化を助け、胆汁の分泌を促し、また赤血球のヘモグロビンの原料としても重要です。

なぜ腸が大事なの?

前回から「腸」に関してお伝えしていますが、なぜ腸が私たちの身体にとって大事なのでしょうか?

腸には、病原菌から身体を守る免疫細胞の約70%が存在するだけでなく、免疫力を高める機能があることが分かっています。また、腸と脳とは多数の神経細胞でつながり、お互いに影響を与え合う「腸脳相関」の関係にあります。

つまり、腸が好調だと、身体全体にいい影響を与え、逆に調子が悪いときの悪影響も身体全体に及んでしまいます。

腸内フローラとは?

腸について調べていくと「腸内フローラ」という言葉も出てきます。腸内フローラとはなんでしょうか?

私たちの腸内には約500〜1,000種類、約100兆個もの細菌が存在していて、特に小腸から大腸にかけて生息しています。これらの様々な細菌がバランスをとりながら腸内環境を良い状態にしています。実は「腸内環境」を決めているのは、腸内に存在する細菌たちなのです。

この腸の中を顕微鏡で覗くと、多種多様な細菌がコロニーを作って住んでいます。これらのコロニーは、まるで植物が群生している「お花畑(flora)」のようにみえることから、「腸内フローラ」と呼ばれています。腸活ではこの「腸内フローラ」のバランスを整えて、維持することが大切なのです。

理想的な腸内細菌の比率は、善玉菌・日和見菌(ひよりみきん)・悪玉菌のバランスが「2:7:1」と言われています。健康な腸内では、善玉菌が悪玉菌の定着・増殖を抑えて善玉菌が優勢な状態となっています。

しかし、食生活の乱れなどの原因で、腸内の悪玉菌が優勢になると、腸内環境が悪くなり、有害物質も増えることで、便秘や下痢になってしまいます。つまり、悪玉菌より善玉菌が多い『腸内フローラ』に整えることが大切です。

善玉菌
腸の細胞を元気にしたり、腸内を弱酸性に保ったりして腸内環境を整え、外から入ってくる病原菌などを退治してくれるといった働きをする

日和見菌
腸や身体が健康な時はおとなしく善玉菌に味方するが、腸内環境が悪くなると、悪玉菌に加担し、悪い働きが大きくなる性質をもつ

悪玉菌
腐敗して毒素を出し、腸内を病原菌が好むアルカリ性にする。一方でタンパク質を分解するなど必要な働きもする

まとめ

そもそも腸活とは、腸内環境を整えて腸が持つ本来の力を取り戻すことです。もともとは便秘や下痢などの悩みを持つ人や、美容に関心のある女性たちが注目し始めた「腸活」ですが、最近では、健やかな毎日を過ごすために年齢や性別問わず全ての人に大切だと広く認識されるようになっています。

腸と脳は「迷走神経」でつながり、情報をやりとりしています。人の脳神経は、主なもので左右に12対あり、このうち11対は、脳と目、耳、鼻、舌、頸部などをつないでいます。しかし、第10神経系である迷走神経だけは、さまざまな臓器とつながり腸にまで達しています。

「最近、体調がすぐれない」や「なんとなくお肌の調子が優れないな」と、いうときは、腸の状態にも意識を向けてみましょう。

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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