その不調 もしかしたらお腹のカビが原因かも?!?

当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨
過去のレシピに関してはこちらよりご覧ください。

今回はお腹の不調に関してです。
謎の体調不良やだるくなりやすい、日常的な便秘や下痢など「少し我慢すればよくなるから様子をみよう」と病院などに行かずに解決してしまう方が多いと思います💦

しかし、もしかしたらお腹の中に潜むカビが原因かもしれません…..。

お腹にカビ?!?

カビと聞くと、食品などのカビを想像してしまうかと思いますが、実は私たちの身体にも「カンジダ菌」というカビが存在している可能性があるということをご存知ですか?

人間の腸には、腸内細菌・ウイルス・原虫や寄生虫など100種類以上の菌が100兆個も存在しています。その腸内には細菌の他にもカビと言われるものが1%存在します。その代表が「カンジダ」という「真菌(しんきん)=カビの仲間の総称」です。
カンジダ菌は体調が悪かったり、免疫機能が低下していると増殖し、身体に悪影響を与えます。

■カンジダ菌とは?
女性は「膣カンジダ」を聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。ある調査(田辺三菱製薬株式会社調べ)によると、女性の5人に1人が腟カンジダを発症しているようで、女性にはよくみられる症状です。

カンジダ菌は、生活している中でどこにても存在している酵母カビの一種です。パンを発酵させる酵母(イースト)の仲間で、部屋にも、身体の中では口・皮膚・消化管・腟に常に生息しています。通常は人体に害を及ぼすことはありませんが、特定の条件下の場合、粘膜や皮膚の湿った部分に過剰に増殖すると言われています。

■体内にカビが発生するとどうなるの?
身体にカビが生えてしまうと、粘膜の生まれ変わりがスムーズにいかなくなり、古い細胞にカビが成長していってしまいます。

腸内で内膜の細胞を破壊することになり、これにより、腸に炎症が起こり、腸粘膜が本来体内に入るべきものではないものを通してしまうリーキーガット症候群が起こります。悪化した腸内環境はカビを増殖させ、カビは様々な有害物質を発生させます。体内に有害物質が蓄積してカビが増殖すると、めまい・ふらつき・頭痛・吐き気・記憶障害・感情のコントロールができないなど酔ったような症状が現れます。

腸管内のカビの異常増殖は、尿中の代謝産物を測定する有機酸検査によって調べることができます!

なぜカビが身体の中に??

カンジダが繁殖し発症する原因は、部位によって多少異なるようです。

多くの場合、下記の方が発症しやすいと言われています。
生活習慣などによる免疫力の低下
加齢
抗菌薬の投与
糖尿病の合併症
ステロイド剤の投与

■口腔・食道カンジダ症(口の中や食道粘膜)
副腎皮質ステロイド薬を投与したとき
糖尿病などで免疫力が落ちている状態のとき
常在菌のバランスが崩れたとき
※喘息患者らが使用するコルチコステロイドの吸入薬の使用中にも発症例が見られる

■男性器・女性器のカンジダ症
妊娠中
風邪
寝不足などで免疫力が落ちた状態のとき
生理前
膣内の過剰な洗浄
性交渉の刺激
ナプキンの長期使用
下着の締め付け
高温多湿の状態が長く続くことがきっかけで発症
※HIV感染症/エイズ患者にも見られ、HIV感染症/エイズ発見の契機となる

カンジダ菌が増殖されると、身体も反応していきます。異常繁殖すると、粘膜の正常細胞を貫通し、糸状に伸び、組織の奥まで侵入します。その侵入によって、白血球を集めてなんとか阻止しようと戦います。この戦いが免疫反応を引き起こし、炎症を起こしたり、アレルギーなどの不調を引き起こします。

お腹のカビチェックリスト

Aの項目で当てはまるものがあり、Bでも1つでも当てはまるものがあれば、お腹のカビによって健康が害されている可能性が高いといえます。Aの項目で当てはまるものが多いほど、お腹のカビの増殖の度合いが大きいと考えられます。
※Aの症状はお腹のカビによって起きています

【A症状】
・異常に疲れる
・抗うつ・気分の変動がある
・集中力がない、記憶力の低下
・頭痛持ち
・皮膚のトラブル(蕁麻疹・水虫・いんきんたむし・慢性皮膚炎・目の痒み・肛門の痒みなど)
・生殖器に関する症状(月経不順・月経困難症・月経前症候群・膣炎・前立腺炎・勃起障害など)
・筋神経症状(筋肉や関節の痛み・腫れ・痺れ・麻疹・筋力が異常に弱い・鼻血をよく出すなど)
・呼吸器症状(長引く咳・喘息のように呼吸が苦しい・慢性的な鼻づまりなど)
・耳の症状(中耳炎など耳の感染症を繰り返す・耳のつまり感・めまい・音に敏感など)
【B症状】

・不調があり、さまざまな治療やケアを受けたが改善しない
・これまで抗生物質を何度も服用してきた
・発酵食品や砂糖を多く含む食品をたくさん食べてきた
・スイーツやパン・アルコール飲料が大好きで欠かせない
・スイーツやパン・アルコール飲料をとると体調が悪くなる
・低血糖症状の起こることがある
・ピルやステロイドを服用している、または服用していたことがある
・出産経験が多い
・雨や曇りの日は調子が悪くなる
・湿気の多い場所やカビの生えている場所に行くと、調子が悪くなる
・化学物質過敏症がある(タバコ・香水など化学物質に対して気分が悪くなるなど不調を起こす)
・歯科治療などの際、麻酔が効きにくい

※参考文献:「おなかのカビ」が病気の原因だった / 内山 葉子【著】

かぼちゃとひじきの煮物

電子レンジを使って簡単にできます!

■栄養士から一言
電子レンジで簡単にできるので、もう一品欲しい時におすすめのレシピです。
かぼちゃを切るのが大変な方は、電子レンジ600Wで2分ほど加熱すると、切りやすくなります!
冷めたらこのまま冷蔵庫で保存できるので、作り置きにも便利です!

■材料(2人分)

乾燥ひじき   5g
(生ひじきの場合は50g程度)
玉ねぎ     1/8個(25g)
かぼちゃ    1/8個(250g)
水       50ml
みりん     大さじ1
しょうゆ    大さじ1

■作り方
1、ひじきを水でもどす(排水用ネットなどで戻すとザルの必要もなく簡単にもどすことができます)

2、玉ねぎを薄切りにする

3、かぼちゃは種をとって、一口大2〜3cm角くらいに切る
(切りづらい場合は電子レンジ600Wで2分ほど加熱してから切ってください)

4、耐熱容器にひじき、玉ねぎ、かぼちゃ、水、みりんを入れてラップにかける

5、電子レンジ600W5分加熱する

6、かぼちゃの上下をひっくり返して、再度ラップをかけて3分加熱する

7、醤油を入れ、ひと混ぜする

まとめ

カビと聞くと食品や水回りにつくものだけと思いがちですが、まさか自分のお腹や肌などにいるとは思いませんよね?!?しかし、現実には多くの方が身体のカビで悩んでいる方がいらっしゃいます。

どんなに健康な方でもお腹の中に潜んでいるのがカビです。ある一定の環境になるとカビは増殖をしていき、眠い・フラフラするなどの症状が出てきてしまいます。お腹の中のカビは私たちの身体に多くのデメリットを引き起こしてしまいます。また、お腹だけでなく全身に毒素が巡ってしまうため、全身に悪影響が出てしまいます。

食後や間食などの甘いものがやめられない方やアルコールを毎日飲む方、抗生物質を過去によく服用していた方など、チェックリストBに1つでも当てはまる方はお腹のカビを疑ってください。
知らず知らずに低血糖症状(集中力がない、疲れやすい、手足が冷たい、眠気など)になっている方も多くいらっしゃいますので、ご自身の身体と向き合い気になる方は医師へご相談ください。

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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