ブロッコリーは加熱すると栄養が変わる?!?

当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨
過去のレシピに関してはこちらよりご覧ください。

栄養価は豊富な緑黄色野菜の1つ『ブロッコリー』ですが、調理方法で栄養が流れてしまうことをご存知ですか? せっかく食べるのであれば、栄養がある状態で食べたいですよね。

今回はブロッコリーの調理方法とブロッコリーのスムージーをご紹介します。

ブロッコリーの歴史

ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜でキャベツを品種改良して生まれた野菜です。
原産地はイタリア地中海沿岸です。古代ローマ時代のイタリアを中心に食べられたと言われています。

“突き出た”という意味を持つラテン語の「brocchus(ブロックス)」が”若芽”を意味するイタリア語の「broccoli(ブロッコリー)」になったという説のほか、”花”・”芽”・”茎”といった意味を持つラテン語の「brocco(ブロッコ)」が語源となっているという説もあります。

日本にきたのは明治初期です。他の野菜に比べると傷むのが早かったので、その当時はほとんど食べられなかったようです。同じような野菜のカリフラワーの方が人気があったようです。第2次世界大戦後になって栽培が本格化しましたが、急速に普及したのは1980年代になってからです。

今では北海道、愛知県、埼玉県、香川県など広範囲で生産されています。国産のものは、12月~3月にかけての寒い時期が旬で、この時期出回るものは、甘みが強く栄養価も高いです。

調理方法と栄養

一般的には茹でることが多いと思いますが、実はこの方法だと栄養素が流れてしまいます。せっかく食べるのであれば、栄養がある状態で食べたいですよね。
調理方法によって変化するブロッコリーに含まれているミネラル類(カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン)やビタミン類(カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC)について紹介します。
出典:J-STAGE「無水調理によるブロッコリーのミネラル・ビタミンの変動」
■塩茹での場合
一般的な調理方法は塩茹でですよね。しかし、鍋で塩茹でにしたブロッコリーでは、ミネラル類の中でもカリウムと亜鉛は50%以下に減ってしまいます。一方、ビタミン類に関しては、カロテンの残存率はほぼ100%でしたが、ビタミンB1(58%)、ビタミンB2(35%)、ビタミンC(44%)は大きく減ってしまいます。

■蒸し焼きの場合
無水鍋を使って蒸し焼きにした場合は、ほとんどのミネラルが90%以上残ります。茹でたときに水に溶け出す量が多かったカリウムと亜鉛も約90%残り、ミネラル類を残すには有効な方法です。ビタミン類も、カロテンやビタミンB1(約100%)だけでなく、ビタミンB2(80%)やビタミンC(94%)も多く残ります。

■電子レンジの場合
電子レンジで加熱したブロッコリーは、蒸し焼きと同様にミネラル類とビタミン類が多く残ります。特にビタミンCは97%と、蒸し焼きを上回ります。電子レンジでの加熱も、栄養の変化が少ない調理法といえます。

栄養のコツ

■調理方法の注意
ビタミンCの損傷を防ぐために、茹で時間はさっと短くしましょう。シチューなどの煮込み料理の場合は、あらかじめ茹でたものを最後に加えると、色も美しく、栄養も摂れます。

■生と加熱の場合
生と茹でた時ではビタミンCが2倍ほど違います。食べすぎなければ生でも問題ありません。生の場合は消化が多少悪くなるので注意も必要です。

■茎の部分も栄養豊富
ブロッコリーは、茎にも豊富な栄養が含まれるので、捨てずに食べましょう。茹でて和物にしたり、煮物に入れたり、炒め物や浅漬けにしても美味しく食べることができます。

■組み合わせ
豊富なビタミンCを最大限に生かすには、たんぱく質と合わせて抗ストレスにビタミンEと合わせてがん予防に、カルシウムと合わせて骨粗鬆症予防に効果が期待できます。

ブロッコリー+ごま:ビタミンE、セサミンを増強
→→→がん予防

ブロッコリー+アボガド:良質な油分やビタミンEをプラス
→→→アンチエイジング

ブロッコリー+エビ:タウリンのパワーをプラス
→→→動脈硬化予防

ブロッコリー+じゃがいも:ビタミンCをさらに増強
→→→美肌効果

ブロッコリーのスムージー

ブロッコリーを生で食べるということはなかなかないかもしれませんが、実はスムージーで使うことができます。

■栄養士から一言
スムージーは食欲がない朝でも飲むと1日のスタートが気持ちよく過ごせます。1杯だけでも栄養も多く含まれていますし、お腹いっぱいになります。日本では加熱して食べることが多いブロッコリーですが、原産国であるアメリカ・ヨーロッパなどでは生で食べることが多い野菜です。以前、主催したイベントで生のブロッコリーを刻んで出したところ、海外に澄んだ経験がある方から「懐かしい!よくこの食べ方知ってますね」と言われました。

ブロッコリーは虫がつきやすい野菜なので、よく洗うことが大事です。もし生で食べる場合は、よく洗ってから使ってください。水をボールに張り、逆さまに水をつけた状態で茎を持ってグルグル回すと汚れや小さな虫も出てきます。

■材料

ブロッコリー 4房(60g)
バナナ    1本(100g)
りんご    1/2個(150g)
水      150g

※飲みづらい方は蜂蜜大さじ1
※水の代わりに豆乳などでもOK

■作り方
1、材料を切っていく
ブロッコリーは1房を4等分に切る

バナナは皮をむき3~4cmに切る

りんごは1cm角くらいに切る

2、切った材料と水をミキサーに入れて、なめらかになるまで回し完成

まとめ

ブロッコリーは、身近に栄養が摂取できる食材であり、サラダなどに入れたり、お弁当に入れたりなど取り入れやすく、通年購入ができるため、積極的に摂取したい野菜の1つです。調理方法を少し工夫するだけで、栄養摂取の量が変わってきます。

栄養の変化が少ない調理法は無水調理や電子レンジによる加熱ですが、料理には味や食感も大切です。食材そのものが嫌いになってしまっては意味がありません。自分の好みと料理や栄養とのバランスを取って、ブロッコリーのおいしさを楽しんでください。

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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