鼻の病気

スギ花粉の舌下免疫療法

はじめに


スギ花粉症はスギ花粉が原因となっておこるアレルギー疾患です。
スギ花粉症の治療法の一つにアレルゲン免疫療法があります。
アレルゲン免疫療法はアレルギーの原因となっているアレルゲンを少量から投与することで、身体をアレルゲンにならし、アレルギー症状を和らげたり、日常生活に与える影響を改善する効果が期待されます。

そのアレルゲン免疫療法の最新の治療が「舌下免疫療法」となります。
スギ花粉の飛散していない6月から12月開始の治療となっております。
お気軽にご相談ください。

※当院での新規処方薬剤はシダキュアのみとなっております。他院で舌下免疫療法をされていて、シダトレンを使用されている患者様は、シダトレンを処方しています。

(開始時期)

6月1日~12月中旬まで

(初回投与の受付時間)
以下の時間までに受付をお願いします。
また受付に舌下免疫療法の開始をしたい旨をお知らせください。
当日の流れとしては、
診察→薬剤を取りに行く→薬剤投与の説明、投与→院内にて30分待機→診察→終了
となっております。
所要時間は約1時間とお考えください。

平日 午前 9:00~11:30
午後14:30~17:30
土曜 午前 9:00~12:00

(対象患者)
血液検査(過去2年以内に施行)にてスギ花粉が確定診断されている6歳以上の患者様

(適応外)
・妊娠されている方

以下にあてはまる方は適応外になることもありますので、ご相談ください。
・喘息や気管支喘息の症状が強く出ている方
・重症の口腔アレルギーの方
・抜歯後などの口腔内の術後、傷や炎症などがある方
・ステロイドや抗がん剤、β阻害薬使用など特定の薬を使用されている方

(注意事項)
服用後5分は飲食しないでください。
服用後前後2時間は激しい運動、アルコール摂取、入浴など血圧の変動がおこるような行動は避けてください。
内服を飲み忘れたり、体調不良、歯科治療中で飲めない場合があっても構いません。

*飲み忘れた場合
朝服用を忘れ、夜に気付いた場合、夜に飲んでください。
次の日の朝、その日の分の薬を飲んで問題ありません。
2、3日の飲み忘れであれば問題ありませんが、数週間など長期の飲み忘れの場合、診察を受けてください。

(治療期間と頻度)

一日一回、3~5年の継続的な治療が必要です。
途中で止めてしまうと効果がなくなる場合があります。
当院では5年間の治療を推奨しています。
少なくとも2年は継続しないと、治療終了後の治療効果が持続しないと考えられています。

(副作用)

口や耳の中のかゆみ、刺激感、不快感、頭痛など、アレルギー性鼻炎様の症状がでてくることがあります。

重大な副作用(アナフィラキシー、ショック)の記載もありますが、生命に関わるような重篤な副作用は報告されていません。

(シダキュアとシダトレンの違い)
シダキュア(5,000JAU)は従来のシダトレン(2,000JAU)の2.5倍のスギ花粉エキスが含まれており、シダトレンよりも高い有効性が期待できます。常温保存可能(シダトレンは冷蔵保存)なため、出張や修学旅行など持ち運びがしやすいです。舌下のおく時間が1分(シダトレンは2分)ですので、時間を短縮できます。
そのため、当院ではシダキュアのみの処方としております。

記事執筆者

記事執筆者

馬込駅前あくつ小児科耳鼻咽喉科
院長 岩澤 敬

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 補聴器相談医
日本めまい平衡学会 めまい相談医

詳しい院長紹介はこちら

馬込駅前院 予約

西馬込あくつ耳鼻咽喉科
院長 阿久津 征利

日本耳鼻咽喉科学会 専門医
日本めまい平衡医学会 めまい相談医
臨床分子栄養医学研究会 認定医

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西馬込院 予約

鼻の病気

  1. スギ花粉の舌下免疫療法

  2. 慢性副鼻腔炎

    慢性副鼻腔炎

    慢性副鼻腔炎は後鼻漏以外に頭痛・頭重感を伴うことがあります。原因はアレルギー・虫歯・カビがあり検査が必要になります。検査は内視鏡検査やCTにて診断します。治療は鼻処置を行い、抗生剤などを併用。症状によって漢方薬を併用します。自然治癒することもありますが、治らない場合は手術になることがあります

  3. アレルギー性鼻炎

    アレルギー性鼻炎

    ホコリや花粉など、特定の物質により、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの鼻炎症状が起きる病気が「アレルギー性鼻炎」です。

  4. 花粉症

    花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が原因となって起こるアレルギー疾患の総称で、花粉が飛散している時期にだけ発症する特徴があります。花粉症はアレルギー体質の人がなりやすく、日本アレルギー学会の調査によると、東京都では約34%がスギ花粉症と報告されており、当院のある大田区でも約24万人、馬込地区では約1.9万人の患者さんがスギ花粉症に悩まれています。

  5. 花粉症・鼻炎に対するレーザー治療

    鼻炎に対する治療には「薬物療法」のほかに、腫れている鼻粘膜を焼いて、アレルギー反応を抑える効果が期待できる「レーザー治療」もあります。

  6. ダニアレルギー(ハウスダスト)の舌下免疫療法

    「通年性アレルギー性鼻炎」の治療として、薬物療法やレーザー治療のほかに、アレルギーに体を慣らすことで完治する可能性のある「舌下(ぜっか)免疫療法」を行っています。

  7. 急性副鼻腔炎

    急性副鼻腔炎は、副鼻腔に炎症が起こり、粘りのある濁った鼻水や鼻づまりなどの症状が現れる病気で、頭痛や顔の痛み、歯の痛みなどを伴うこともあります。

  8. 蓄膿症(慢性副鼻腔炎)

    慢性副鼻腔炎は、粘りのある黄色い鼻水や鼻づまりが3ヶ月以上続く病気で、発症すると副鼻腔に膿が溜まることが多いことから、「蓄膿症(ちくのうしょう)」と呼ばれることもあります。

  9. 鼻血(鼻出血)

    鼻血がよく出る原因は、鼻をいじってしまう刺激が原因で起こります。軽症の場合、看護師から出血の止め方の指導をします。重症の場合は止まらない場合がありますので、電気メスで止血を行います。子供は鼻をよくいじるため出血を繰り返すことがあります。

  10. 嗅覚障害

    嗅覚障害(きゅうかくしょうがい)とは、人間が持つ五感の一つである「におい」を正確に感じることができなくなる状態です。