耳の病気

メニエール病

メニエール病



メニエール病は30~50代の女性に多い疾患で、めまいが突然現れ、同時に吐き気・難聴・耳鳴り・耳の閉そく感(詰まる感じ)などの症状も起こります。有病率は10万人あたり16人を言われていますが、過去に大学病院のめまい専門外来や病院、当クリニックで診察している実感としてはもっと多いと感じております。

他の調査では、10万人あたり48人という報告もあります。大田区全体では115~770人、馬込地区では9~27人のメニエール病の患者さんが悩まれているということになります。現在、当院では100人以上のメニエール病の患者さんが受診されています。

症状は、突発性難聴と似ていますが、聴覚症状を伴うめまいを“繰り返す“点に違いがあります。1回だけでは、診断がつきません。また、めまいの持続時間は10分~数時間と比較的長い特徴があります。発症要因には、ストレスや睡眠不足・疲労などが関与していると考えられるため、薬物による対症療法だけでなく、生活習慣の見直しも必要です。

メニエール病の症状について


メニエール病の主な症状は、次の通りです。

①めまい(回転性:周囲がぐるぐる回る感じ


・持続時間は、数十分~数時間と長い特徴がある。
※数秒~数十秒と短いときは、別疾患の可能性も。・浮動性(フワフワする感じ)めまいの場合もある。

② 吐き気・嘔吐


めまいに伴う

③ 難聴


初期は、低音だけの聞こえが悪くなる場合が多い。
発作を繰り返すと、次第に高音も聞こえづらくなったり、難聴が進行したりすることがあるため、注意が必要。

④ 耳鳴り


「キーン」と高音、「ザー」と低音という音が多いが、変化する場合もある。

⑤ 耳の閉そく感(詰まった感じ)


③~⑤の聴覚症状は、めまいと一緒もしくは少し前に起こります。めまいの発現と共に強くなることもありますが、めまいが軽減すると同じく軽快になることが多いです。
また、メニエール病の初期段階では、聴覚症状は片耳のみ起こる場合が多くなっていますが、発作を繰り返すうち、両耳に症状が現れることが20~30%程度あります。

メニエール病の原因は?


メニエール病の直接原因は、「内リンパ水腫」です。

内耳にあるリンパ液が増えて、むくんでいる状態とされていますが、今のところ「内リンパ水腫」の発生原因は明確になっていません。とはいえ、「内リンパ水腫」の発生要因として、精神的な不安を伴うストレス・睡眠不足・疲労・気圧の変化・几帳面さや神経質な性格があると考えられています。



(画像引用)一般社団法人 日本めまい平衡医学会
http://www.memai.jp/QandA/QandA-index.html

どのように検査・診断するか?


メニエール病の検査


・問診
・体のバランスを調べる検査
→足を閉じて、目を閉じて、体のバランスをみます。
・目の動きを観察する検査(眼振検査)
当院では赤外線CCDの眼鏡を使い、眼球の動きをチェックし、三半規管の異常について確認します。その際、録画しますので、録画を見ながらお話しさせていただきます。
・聴力検査
症状がめまいだけの場合でも、隠れた難聴がないか確認するために聴力検査を行うことがあります。逆に難聴だけの場合にも、めまいがないか眼振検査を行うことがあります。

めまいが耳から来るものなのか、脳から来るものなのかを鑑別するために、十分な問診・検査が非常に重要となります。

メニエール病の診断基準


・数十分~数時間のめまい症状を繰り返す。
・難聴
・耳鳴り・耳の閉そく感は、めまいと共に増長・軽減する。
・メニエール病と同じような症状を持つ他の疾患(突発性難聴など)と鑑別できていること

メニエール病の診断には、上記基準をすべて満たす必要があります。

メニエール病の治療について


メニエール病は、適切な治療により、繰り返す発作を落ち着かせ、耳鳴りや難聴の悪化を防ぐことができます。

① 薬物療法


症状が軽い場合には、めまい止め制吐薬(吐き気止め)、抗不安薬、ビタミン剤などを組み合わせて内服します。
なお、強い吐き気とめまいで薬が飲めない場合には、めまい止めの点滴を行います。
さらに、再発予防として利尿剤(水分排泄を促進させる薬)を服用する場合があります。発作の初期段階で、上手にめまい止めや抗不安薬などを用いることで、大きな発作の予防や不快症状の軽減を図ります。

② 生活習慣の改善


メニエール病の原因となる「内リンパ水腫」の発症には、ストレス・睡眠不足・疲労が関与しているとされています。
また、発症した人の性格を見てみると、几帳面な性格や神経質な性格の人に多いという調査結果もあります。ストレスは百害あって一利なしです!
十分に睡眠を取って心身を休め、栄養バランスの取れた食事を取るなど、できるだけリラックスした生活を送るよう心がけると良いでしょう。
また、耳から来るめまいには、ウォーキングやヨガなど適度な運動が血流促進に繋がるため、リラックスもでき、おすすめです。

よくあるご質問


1)めまいがあるのですが、メニエール病ですか?


「めまい」の病気というと、メニエール病のイメージがあるかもしれませんが、実はめまいを起こす疾患は、多数存在しています。①内耳の病気によって起こる場合
メニエール病、良性発作性頭位めまい症、遅発性内リンパ水腫、前庭神経炎、外リンパ瘻など②脳の病気によって起こる場合
小脳や聴神経由来の脳腫瘍、脳出血・脳梗塞(小脳や中脳・橋・延髄などの脳幹部)、小脳炎など他にも、自律神経失調症、起立性低血圧症、、内服薬からくるめまい(特に降圧剤やうつ病などの薬の抗精神病薬)、更年期障害、乗り物酔い、脳脊髄液減少症(低髄圧症候群)からのめまいもあります。患者様ご自身で、「めまいがどこから来ているか?」を判断することは難しく、原因が分からないと不安を感じることでしょう。当院では、じっくり問診を行い、検査・診断をしています。
また、何か問題が見つかれば、必要に応じて近隣のめまい専門外来の病院を紹介します。お薬手帳をご持参のうえ、お気軽にご相談ください。

2)めまいの強さで、病気の重さは変わりますか?


めまいが強ければ重い病気で、弱ければ心配いらない軽い病気とは、限りません。
めまいの強さは、患者さんによって感じ方が異なります。また、軽いめまいのなかにも、危険なめまいが隠れていることもあります。
めまい症状が続くときには、ぜひ医療機関を受診した方が良いでしょう。

3)めまいが起こった時は、どうすればよいですか?


まずは、慌てないことです。
手足のしびれ・麻痺・意識の薄れなどの症状が伴わないめまいは、生命にかかわることはほとんどありません。横になって、しばらくゆっくり深呼吸しましょう。
この時、部屋を暗くする、目の上に冷たい濡れタオルを置くなどすると、より楽になる場合があります。
酔い止めや吐き止め薬の服用も効果的です。

まとめ


めまいは、外見に現れないこともあり、なかなか周囲の理解を得にくいという話もよく耳にします。
高齢者になるほど、めまいを感じたことがある方の割合が高くなりますが、「この年齢だから仕方がない」と我慢してしまう方も少なくありません。しかし、厚生労働省の調査では、男性約13.2%、女性約30.2%*1の方がめまいに悩んでいるという結果が表すように、実は意外と多い疾患なのです。また、めまいの原因を見てみると、約6割が耳の疾患(三半規管)か原因であり、約2割が頭の疾患によるもの、残り約2割がそれ以外の原因とされています。

ただし、これは大学病院や救急病院での統計ですので、実際は頭が原因のめまいはもっと少ないのではないかとされています。当院の院長は、日本めまい平衡医学会が認定した「めまい相談医」です。
脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などがないかをしっかりと吟味して、じっくり診察を行っています。また近隣に脳神経外科の先生と連携しております。めまいでお困りでしたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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*1(出典)厚生労働省 平成28年国民生活基礎調査統計表「第9表性・年齢階級・症状(複数回答)別にみた有訴者率」P.41
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/06.pdf


記事執筆者

西馬込あくつ耳鼻咽喉科
院長 阿久津 征利

日本耳鼻咽喉科学会 専門医
日本めまい平衡医学会 めまい相談医

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