くず野菜を使ってできるベジブロス

当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨第5〜7回目には鶏肉・魚・煮干しのボーンブロスをご紹介しました。第8回目の今回は、ベジブロスをご紹介します。ベジブロスは、今まで捨ててしまっていた野菜のヘタや皮、他の料理で使って少し余った野菜を使って作る野菜の出汁です。これこそが栄養の宝庫です。

野菜のヘタやクズを煮込むことで、いつもは捨ててしまっていた野菜の栄養がスープの中に出て、それが旨味として引き出してくれます。しかも、栄養が身体に吸収されやすいので様々な効能があります。

今までご紹介しボーンブロスにもたくさんの栄養が含まれていましたが、ベジブロスには、第7の栄養素と呼ばれるファイトケミカルがたくさん含まれています。ファイトケミカルは、野菜や植物に含まれる機能性成分のことで、最も期待されている健康効果は、抗酸化力です。

ベジブロスのメリット

食材の栄養を丸ごと無駄なく吸収できる
野菜の皮やヘタ、根など捨てている野菜を丸ごと活用できるため無駄がありません。スープで食べることができるので茹でたり、煮たりすることで溶け出す栄養素や成分も吸収することができます。野菜の皮を入れるときには綺麗に洗ってから使用してください。

免疫力がアップする
ベジブロスのだし に含まれる成分であるファイトケミカルには免疫細胞の働きを高める作用があります。

抗酸化力がアップする
強力な抗酸化成分を持つといわれるファイトケミカルは人の体を老化させる最大の要因である活性酸素の働きを抑えてくれます。

様々な料理に活用できる
今回はそのまま食べることができるスープレシピをご案内しますが、出来上がったベジブロスを製氷皿に入れて凍らせれば、様々な場面で使うことができます。例えば、めんつゆのだしに使ったり、普段のお味噌汁に入れたり、カレーに入れたりなどなど普段の食事でもベジブロスを使って栄養を取ることが可能です。塩の量などを変えれば、お子さんの離乳食にも少し塩の量を変えれば、他の出汁や野菜スープと同じように使うことができます。野菜嫌いのお子様にも違和感なく飲むことができるのでおすすめです。

ベジブロス

ベジブロスは野菜のダシなので野菜のくずだけで作ることが多いですが、食べ応えのある簡単スープを紹介させていただきます。

材料


キャベツ  100g
玉ねぎ    100g
にんじん 100g
しいたけ 100g
水      1000ml
塩      全大量の0.5% 7g
今回のレシピですと、(100g+100g+100g+100g+1000ml)×0.5%で計算

作り方

1、野菜を切る
キャベツは 2 cm角

玉ねぎは皮をむき 1 cmぐらいの大きなみじん切り


にんじんは端を切り 1 cmのいちょう切り


しいたけは軸をとり 1 cm角に切る、 軸も 1 cmに切る
*椎茸の軸は軸の部分を持ち少しひねると簡単にとることができます



2、切った野菜、水1000ml とお茶パックに入れたくず野菜(玉ねぎの皮、人参のヘタ、椎茸の軸)を鍋に入れる
鍋の蓋をして中火で 20分ほど煮込む
※お茶パックは100円均一などでも売ってます




3、野菜、水を合わせた重量の 0.5% 塩を入れ、完成

ベジブロスに合う野菜と部位

玉ねぎ
外の皮やヘタをベジブロスに使用します。皮には紫外線や害虫、土の中の細菌から身を守る働きがあり、血液をサラサラにする効果が期待できます。玉ねぎの皮を使うと、だしがきれいな琥珀色になりますのでおすすめです

セロリ&パセリ
セロリは葉、パセリは茎を使います。苦手な方が多いセロリの独特の香りは、アピインというフラボノイドの一種で、精神安定効果が知られています。生では苦手の方も楽しめるベジブロスができます。

にんじん
玉ねぎと同様に皮やヘタを使います。βカロテンが多く、特にヘタにはこれから成長しようとする新しい細胞が生まれる場所・生長点があり、ファイトケミカルを多く含みます。

その他
ジャガイモの皮、セロリの端っこ、とうもろこしの芯、大根の皮、端っこなどを入れるとまた違った味ができて美味しく食べることができます!使う野菜は、アクの強いもの、苦みのあるもの、臭いが強いものは渋みなどの原因になるため、使わない方がベターです。ブロッコリー、カリフラワーなどアブラナ科の野菜には硫黄成分が含まれており、独特の刺激臭が出てしまうので、入れすぎに注意しましょう。

野菜の切れ端が足りないときは、だしが出る昆布、煮干し、干ししいたけ、干しエビ、香りが出るローリエ、黒コショウの粒を加えてみるとまた違った美味しさがあります。

色々試してみて、自分好みのオリジナルベジブロスを作ってみてください!
色々作り続けていくと料理が楽しくなります😊

ファイトケミカルの効果

フィトケミカルは、野菜を始めとし、果物、豆類、いも類、海藻などの植物に含まれる化学成分のことです。植物が紫外線や有害物質、害虫などの害から身を守るために作り出した色素や香り、アク、辛味などの成分です。フィトケミカルには数千種類以上あるのですが、多くが抗酸化作用を持つものが多いことから抗酸化作用による老化予防が期待できるほか、代謝の促進、免疫力向上、脳機能の強化など種類によってさまざまな働きがあると言われています。

体内の毒を解毒する
私たちの身の回りにある有害物質である環境汚染物質、食品添加物などを解毒する働きがあります。その役割の中心には肝臓にある解毒酵素で働きを高めてくれるのがファイトケ高めてくれるのがファイトケミカルです。ファイトケミカルをととることで肝臓の解毒酵素の遺伝子が活性化され、有害物ることで肝臓の解毒酵素の遺伝子が活性化され、有害物質や発がん物質を無毒化し体外に排出しやすくします。質や発がん物質を無毒化し体外に排出しやすくします。

美肌効果を高める
ベジブロスで最も注目を集めているのが、高い美容効果です。ファイトケミカルが、体内にできてしまった「老化物質」から身体を守ってくれるので女性の悩みであるシミ・シワなどの老化防止に役立ってくれ、美肌へと導いてくれます。特に赤色の食材であるトマトなどには強い抗酸化力がありストレスなどによる体のサビを抑えて、肌の老化を防ぐ美肌づくりをサポートする効果があります。さらにファイトケミカルの効果は生で摂取するより加熱をした方が体に吸収しやすいと言われており、生野菜ジュースを飲むより効果が出やすいと言われています。

ガンを予防する
野菜スープに含まれるファイトケミカルには細胞の遺伝子を傷つける活性酸素を除去する
作用や発ガン物質を無毒化し排泄する作用やガン細胞に働きかけ 自滅させることを誘導す
る作用などがあります。

動脈硬化を予防する
動脈硬化の進行を遅らせるには、血液をサラサラにする必要があります。にんじん、トマトなどのファイトケミカルには高い抗酸化作用があり、悪玉コレステロールの酸化を防ぎ動脈硬化から血管を守ります。玉ねぎやキャベツにも血液をサラサラにする作用があります。

ダイエット効果がある
唐辛子、ニンニク などには体脂肪の代謝を高め、燃焼を促す作用があります。ファイトケミカルたっぷりの野菜スープを食生活に取り入れることで、食事の量が抑えることができ、血糖値の急上昇を防ぎ、野菜本来の甘味、うまみに敏感になり、脂っこいものや甘いものを自然と控えるようになります。

まとめ

ベジブロスは、今まで捨ててしまっていた野菜を使うので、経済的にも優しく栄養もしっかり取れるのでやらなくては損と言えるほど究極の出汁だと言えます。野菜にもそれぞれ栄養がありますので、是非スープにしてたくさんの栄養を美味しく摂ってください。

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

詳細はこちら