その他の病気

インフルエンザの予防内服

「インフルエンザのワクチンを接種していても、手洗い・うがいをしっかりしても、残念ながら完全に感染を防げることはできません。
一緒に暮らすご家族の中で1人インフルエンザになると同じ空間で過ごす他のご家族はうつるリスクは高くなり、特に小さなお子さんや、お年寄りがいらっしゃるご家庭は不安なことが多いと思います。
そんな時には、抗インフルエンザ薬の予防投与をご検討ください。
併用することで7〜8割の高い確率でインフルエンザの感染を防ぐことができます。
“絶対かかるわけにはいかない”時の秘密兵器とも言えます。

インフルエンザにかかっていないのに?

インフルエンザにかかってもいないのに、「抗インフルエンザ薬の予防投与をしても大丈夫なの?」と思う方が多いかもしれません。

抗インフルエンザ薬には、体の中でインフルエンザウイルスが増えるのを抑える作用があります。
抗インフルエンザ薬を予防的に使っていると、インフルエンザウイルスに感染しても体の中でウイルスが増えにくくなるため、結果としてインフルエンザの発症を予防できるのです。

実は、薬剤の添付文書には予防投与の項目があり、用法・用量も記載されています。条件付きではありますが、きちんとした正しい使用法として予防投与は承認されています。

※参照:医薬品医療機器総合機構

抗インフルエンザ薬の予防投与はインフルエンザ患者との接触から48時間以内に受けられれば最も効果を発揮させることができるとも言われています。

予防投与の効果としては完全ではないですが、ご家族や同僚の方の感染が発覚され次第、早期から服用することで感染のリスクはかなり減少します。

接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていません。また、インフルエンザ予防接種の場合にはワクチンを摂取することで1シーズンの免疫力を高く保ちつづけることができますが、抗インフルエンザ薬の予防投与の場合には、投与期間しか予防効果がないと言われています。

あくまで予防策の1つですので、保険診療は認められておらず、自費診療での取り扱いとなります。

誰でも受けることができるの?

予防投与は必ずしも全員が受けることができるとは限りません。(処方を受けられるご本人の)診察、相談した上での判断となります。薬剤の添付文書では原則として下記の方を対象としております。

*家族など同居する人がインフルエンザにかかっている
*インフルエンザ にかかった場合に重症になりやすい

重症になりやすい人に関しては
具体的には下記のいずれかに当てはまる必要があります。

◆65歳以上の高齢者
◆気管支喘息など慢性の呼吸器疾患がある
◆心不全など慢性の心臓病がある
◆糖尿病などの代謝性疾患がある
◆腎臓病がある

しかし高齢者ではなく、基礎疾患もないが例のように予防できるのであれば予防したいと思うものですよね。

〈例〉
・病院や施設にいる家族に会いにいくため
・受験生なので予防したい
・大切な仕事があり休むわけにいかないため
・小さなお子さんがいるため

ご事情はとてもよく分かりますが、この場合は、薬剤の添付文書に記載されていない使い方(適応外処方)となるため、適応外使用となります。

予防投与をしたことで薬が合わずに、アレルギー症状が出たりして逆に体調が悪くなる可能性もゼロではありません。万一、重い副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはならず、補償が受けられないというデメリットがあります。

また、抗インフルエンザ薬を使い過ぎると、薬への耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあります。

抗インフルエンザ薬はこれまでも多くの患者さんに使用されてきた安全性の高い薬ではありますが、適応外処方の場合は、あくまで自己責任での投与となりますので、医師に処方理由をご説明いただき、ご相談ください。

予防投与の費用は?

先ほどもお伝えしましたが、予防策の1つとなるため、保険診療は認められておらず、自費診療での取り扱いとなります。

当院では抗インフルエンザ薬10日分(1日1回内服)と診察代込で【7,000円】(税別)にてご案内します。

投与までの流れ

当院予約サイトにて診察のご予約
一般診療よりご予約ください

②ご来院
受付にて抗インフルエンザ薬をご希望の旨お伝えください
※保険診療もご希望の場合はその旨お知らせください

③診察
医師に処方理由をお伝えいただき、ご相談ください

③処方・会計

④服用
使用期間は薬によって異なりますが、原則として治療に使う量の半分を、倍の期間使用します

インフルエンザにかからないためにできること

今回は「抗インフルエンザ薬」をご紹介しましたが、日常生活の中でインフルエンザを予防することも大切です。インフルエンザウイルスの感染は、せきやくしゃみによる飛沫や接触によってウイルスが体内に入ることで起こります。そこで、普段からウイルスが体内に入るのを防ぐようにしましょう。

記事執筆者

記事執筆者

馬込駅前あくつ小児科耳鼻咽喉科
院長 岩澤 敬

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 補聴器相談医
日本めまい平衡学会 めまい相談医

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西馬込あくつ耳鼻咽喉科
院長 阿久津 征利

日本耳鼻咽喉科学会 専門医
日本めまい平衡医学会 めまい相談医
臨床分子栄養医学研究会 認定医

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その他の病気

  1. 帯状疱疹ワクチン予防接種

    帯状疱疹ワクチン接種の予約方法・当日の注意点・ワクチンに関してご紹介しています。ワクチンは、体の仕組みを使って病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くします。ワクチンを接種したからといって絶対にかからないとは言えませがリスクを大幅に下げることができます。

  2. 新型コロナワクチン予防接種

    新型コロナウイルスワクチン接種の予約方法・当日の注意点・ワクチンに関してご紹介しています。ワクチンは、体の仕組みを使って病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くします。ワクチンを接種したからといって絶対にかからないとは言えません。引き続き、感染予防対策を継続してください。

  3. プラセンタ注射(更年期・疲れ・肌荒れ)

    プラセンタは、女性を中心に治療で利用されています。45歳~59歳で更年期障害がある方は保険適応で治療ができます。

  4. 大田区風疹抗体検査・予防接種

    風しん感染で特に警戒したいのは、妊婦さんやこどもです。しかし風しんの発症者の約8割は男性で、男性が女性の4倍ほどとも言われています。職場の同僚や交通機関ですれ違うなど飛沫感染や接触感染が主たるものですので、周りに感染させないためにも抗体の確認と必要であればワクチン接種をしましょう。大田区に住民票がある方であれば無料で抗体検査とワクチン接種を行うことが可能です。

  5. インフルエンザの予防内服

    一緒に暮らすご家族がインフルエンザになると同じ空間で過ごす他のご家族はうつるリスクは高くなり、特に小さなお子さんや、お年寄りがいらっしゃるご家庭は不安なことが多いと思います。そんな時には、抗インフルエンザ薬の予防投与をご検討ください。

  6. インフルエンザ

    インフルエンザは、12月から翌3月に流行ピークを迎え、毎年1,000万人以上の人が感染しています。38℃以上の高熱、頭痛、筋肉や関節の痛み、全身の倦怠感が現れます。小さいお子さんや高齢者、呼吸器系に持病がある方は、まれに急性脳症や肺炎など重症化して、最悪死に至ることもあります。治療に使われる抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるための薬なので、原則発症後48時間以内の服用が必要です。

  7. インフルエンザの予防接種

    インフルエンザは、38℃以上の高熱、頭痛、筋肉や関節の痛み、倦怠感などの全身症状が急に現れる“ウイルス感染症”で、強い感染力があるため、毎年1,000万人以上の人が感染しています。 近年は抗インフルエンザ薬の登場で効率的に治療できるようになりましたが、「感染しないように予防すること」が大切です。 インフルエンザの流行シーズン(12月~翌3月)前に「インフルエンザ予防接種」を行っておくことで、重症化を抑えることが期待できます。

  8. 喉頭がん検診

    当院では、大田区が実施している「喉頭がん検診」を行っています。 喉頭がんとは、いわゆる「のどぼとけ」の辺りにできるがんです。 40代以降に発症し、年齢とともに発症リスクが上がりますが、なかでも男性の発症が多いのが特徴で、その患者数は女性の10倍にも上ります。